ちいさなかばん
荷物を下ろす。
肩にかけていた大きなかばん。
大きなかばんは何でも入っていい。
あれも、これも。
心配だから詰め込む。
いつのまにか体は曲がっている。
心なしかテンションも上がらない。
かばんのなかの心配に押しつぶされている。
置いたかばんをひっくり返す。
傘、本、ポーチ、パソコン。
今日一度も出してすらいないものたち。
全部傍に寄せて、小さいかばんを持つ。
財布、携帯、カギ、リップクリーム。
本当にいるものなんてこれだけだった。
かばんを持つ。
すぐに下ろす。
かばんの中身をポケットに移す。
大事なものはポケットに入る分だけでいい。
それだけで、いい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます