ぼんやりした景色
碧海 山葵
春の訪れ
雨が降って
止んで
少しずつ暖かくなる。
湿った匂いが公園の少し暗いところから
もわっと漂う。
筍の先のような香り。
筍にも雌雄があるのだよ、
そう教えてくれたのは誰だっただろうか。
私は思い出さない。
思い出さずに、
ゆっくりと筍ご飯を飲み込む。
雨がまた降り始めた。
止んだらまた、暖かくなるのだろうか。
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