第33話 スローライフ計画に一歩近づいた





「それではフレイムさんは冒険者ランクEから登録という事にさせていただきます。 あの戦闘力であればAランクからでも問題はないとは思いますが、他の冒険者の立場や、戦闘力以外の面でも必要な知識などもありますので国の定めた法律により飛び級での冒険者登録はEランクからという事になっておりますのでご理解ご了承の程何卒よろしくお願いいたします」


 あの模擬戦の後、俺はギルドマスターに連れられて別室にてフレイムの冒険者登録を行っており、冒険者のルールやEランク以上からスタートできない理由などをギルドマスターの女性秘書から話を聞いているところである。


 ちなみに冒険者ランクは上からS S Sのトリプル Sランクが最上級であり、今現在帝国では個人では S S Sランクはいないが冒険者クランでは三グループ存在している。


 そして一番下のランクは冒険者仮免許であり、冒険者ですらない。


 流れとしてはまず初めに戦闘力のテストを行い仮免許へ、仮免許中は講習や筆記試験などを行い、合格した者がGランクから始める事が出来るのである。


 そのためフレイムは仮免許期間も含めると、仮免許、Gランク、Fランクと三ランクも飛び級で登録した事になる。


 そして飛び級で冒険者登録した事によって周囲からのやっかみやイジメに近い嫌がらせ等をされる場合が多く、その為にそれらを払い除けれるだけの実力があるかどうかを見極める為の模擬戦でもあったという事である。


「では、これが契約書ですので一度読んでいただき、問題がない場合はここへフレイムさんのサインと魔力印をお願いします」


 そして女性秘書はある程度説明を終えたのか書類一式を出してきて読み終えて内容に納得できた場合はフレイムにサインをさせるように説明してくる。


 ちなみに書類の内容はギルドの禁止事項であり──冒険者同士の喧嘩は御法度であり、正式な審判と救護できる者がいる決闘は可、ただしこの決闘で冒険者生命を絶たれるような怪我や最悪死亡したとしても自己責任でありギルドは一切関与しない──などが書かれていた。


 血気盛んな者たちを纏めるために致し方ないと思えるようなルールな事以外は別段気になるようなルールは無いのでそのまま読み進めていき、そしてフレイムにサインするようにペンを渡す。


 ちなみにその間フレイムにも読んでもらっており了承済みである。


 流石に冒険者登録をする本人であるフレイムが読まないというのは無いだろう。


 そしてフレイムはサインと魔力印を押して晴れてE級冒険者となった。


 これで、俺の将来スローライフ計画に一歩近づいたと思うとなんか、ここから始まるんだという感慨深いものを感じる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る