ハードデイズナイト

片栗粉

第1話 プロローグ

「諸君は、警察官の身分だが、警察官ではない」

 その言葉は、今でもこの身に刻みついている。

「だが、軍人でもない」

 あのエンブレムを胸に抱いた時に、警察官だった俺は死んだ。

「我々に政治は関係ない。我々が追うのは、市民を脅かす犯罪だけだ。犯罪には、それ以上の恐怖を以て戦わなけばならない」

 猟犬。それが相応しい名だ。

「この街は、麻薬カルテルのクソ共に蝕まれている。クソ共を一掃するまで、我々の戦いは終わらない」

 その牙が折れた時が、俺達が死ぬ時なのだから。

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