第3話

201:名無しの異種族

 >>200

 本?


202:ツイ廃

 日記、ですね


203:名無しの異種族

 日記


204:ツイ廃

 姫巫女、巫女姫、あ、聖女、か

 闇の王、封印、ふむふむ

 我々は、彼女を、楔にして、闇の王を封印した

 彼女に、時がくれば、必ず解放するからと言い含めた

 でも、あぁ、ダメだ

 やはり、私には嘘がつけない

 この罪悪感で押しつぶされそうだ

 だから、ここに記す

 そして、この罪悪感とともにここに置いていく


 我々は聖女に嘘をついた

 必要だったのは、穢れなき乙女であること

 そして、封印に足る魔力を有していること

 それだけだった


205:名無しの異種族

 告白、いや、暴露日記じゃん、これ


206:名無しの異種族

 >>205

 シ━━━ッd((ˊ皿ˋ ;)


207:ツイ廃

 いや、もう1つあった

 身寄りが無いこと

 彼女は、教会で粛々と祈りを捧げるただのシスターに過ぎなかった

 子供の頃に捨てられ、拾ってくれた教会で育ち、神に生涯をその身を捧げることを誓った、穢れなき乙女だった

 その祈りと信仰心の賜物なのか、彼女の魔力は絶大だった

 盲目の老人の目を癒し、光を与え

 死に向かう幼い子供の命を救い

 卑しき身分の生まれであることは確実であるのに、どの貴族、王族にもなし得なかった奇跡を起こしていた


208:名無しの異種族

 ふむふむ…φ(.)メモメモ


209:名無しの異種族

 あ、そっか

 昔は、魔力が基本的に備わるのは貴族だけとされてたんだよな


210:考察厨

 高等教育で魔法の使い方を教えてたってのもあるんだろうな

 身分が低くても、それなり魔力が備わってるやつはある程度いたと思う

 けど、無かったことにされたんだろ


211:ツイ廃

 王の覚えも目出たかった

 けれど、それが王妃の反感を買ってしまった

 だから、王妃は彼女を亡きものにしようと、魔神の封印を王に進言したらしい

 事実、彼女、聖女は魔族を退ける力を有していた

 ここでもし、魔神を封印出来れば長年続いている魔族との戦争にも勝てるし、領土を拡大出来る

 そんな目論見もあったのだろうと思う

 たかだか、片田舎に住む信仰心の厚い村娘が聖女として祭り上げられ、魔神を封印した

 その後だ

 我々は彼女に嘘をついた


212:名無しの異種族

 どんな嘘だったんだろうな


213:名無しの異種族

 だいたいは想像出来るけど


214:考察厨

 どうせ、アレだろ

 流れからして、聖女がまともな教育を受けてないことをいいことに、実は封印はこれだけでは完成しない

 穢れなき乙女も一緒に封印しなければ、1年も保たずに封印は解けるだろうって嘘八百を吹き込んで、巫女姫、聖女か、聖女も封印したんだろ


215:ツイ廃

 >>214

 よくわかりましたね

 大正解です


216:考察厨

 時代からしてよくある話だからな

 それに、日記のあちこちに【我々】って書かれてるから

 これ、護衛ってのもそうだけど、聖女を封印するための魔法使い達のことなんだろうな、と想像した


217:考察厨

 封印出来るってことは、逆に言えば解くことも出来るってことだ

 巫女姫伝説の舞台になってる時代だと、それなり魔法の研究も盛んだったはずだし

 普通に封印するだけで十分だったはずだ

 でも、わざわざ聖女を使って二重封印してるってことは、念の為ってこともあったんだろうか?

 あ、そうなると嘘八百ってわけでもないな


218:考察厨

 そこにさらに塔っていう、物理的な封印、重石を乗せてるから

 これ三重の封印になってるのか

 加えて、天然の要塞と化してる無人島だし、四重の封印になってるのか

 念入りだな


219:名無しの異種族

 つまり、どういうこと??


220:名無しの魔族

 >>219

 普通の封印で十分だったけど、聖女が気に食わないから、一緒に埋めちまおう、ついでに聖女も出てこないようにさらに念押しで塔で蓋しちゃおうってことになって、それをやったってこと


221:名無しの異種族

 うわぁ


222:考察厨

 >>220

 …………

 あー、そっか、これ塚なんだもんな

 塔はただの墓標ってことか


223:名無しの魔族

 >>222

 まぁ、あくまで俺の想像だけどな

 このスレ見つけて、ずっと読み専してたんだけどな

 何気に気になって、魔族側の資料も漁ってみたんだよ

 そしたら、まぁ、出てくる出てくる、当時の記録www


224:考察厨

 ……へぇ?

 だから、封印を解かせようとしてる?


225:名無しの魔族

 ん?

 何の話だ??


226:考察厨

 すっとぼけるのが上手い奴だな


227:名無しの異種族

 ざわ...ざわ...


228:名無しの異種族

 さっきから、名無しの魔族と考察厨はなんの話をしてるんだ??


229:名無しの異種族

 封印の話じゃないの?


230:名無しの異種族

 いや、それにしてはなんか不穏なんだけど


231:考察厨

 魔族が魔神の封印を解きたがってるようにしか見えないだろ

 勘繰りたくもなる


232:名無しの異種族

 あ、なるほど


233:名無しの魔族

 まぁ、俺の書き込みをどう受け取るのかってのは自由だし?

 勘ぐられてもどうってことはないけどな


234:名無しの魔族

 だって考えてもみろよ

 仮に、かつて世界を滅ぼそうとしてた魔神を復活させても、俺にはメリットはない

 その島に行って、封印から復活した魔神に事情を説明できるわけでもないだろ?

 取り入ることができない

 利用できるわけでもない

 考察厨が深読みし過ぎてるって話だよ


235:ツイ廃

 あの、素人考えなんですけど

 これ、魔神と聖女の封印って別々なんですよね?

 聖女だけ、封印を解くことって出来ないんでしょうか??


236:57

 解析してみないことには、なんとも言えないな

 

237:名無しの異種族

 聖女の封印が解けたら、魔神の封印も解けそうな気がする

 なんとなくだけど


238:名無しの異種族

 でも、この塔が墓標なら他に封印式があるってことだろ?

 ここまでの階層にはそんなの無かったじゃん


239:名無しの魔族

 ちなみに、魔族側の記録だと聖女を封印した連中は、その帰りに魔族側の総攻撃を受けて海の藻屑と消えたってある

 っ、と、まずいまずい


240:名無しの異種族

 ん?


241:名無しの異種族

 魔族の方もなんかあったのか?


242:名無しの魔族

 悪い、面白がって調べて書き込んでたんだけど

 この件、一般市民の俺は触れちゃいけないことだったみたいだ


243:名無しの異種族

 へ?へ??


244:考察厨

 なんかあったのか?


245:名無しの魔族

 いや、調べ始めて少しした頃から、なんか視線を感じるなとは思ってたんだ

 でも、??!!

 おい!

 悪ふざけで書き込んだが、それ忘れろ!!

 いいn


246:名無しの異種族

 ちょ、途中で切らないで!!

 Σ(・ω・ノ)ノ


247:名無しの異種族

 おい、ガチでヤバいんじゃね?


248:考察厨

 画面の向こうは分からない

 でも、名無しの魔族は調べちゃいけないことを調べてたのはたしかだな


249:ツイ廃

 >>248

 どういうこですか?


250:考察厨

 俺にも魔族の知り合いが何人かいてさ、巫女姫の伝説について調べてもらったんだ

 でも、1部の魔族の国じゃたとえおとぎ話だろうと、巫女姫伝説の魔神封印の話は禁書になるらしくてな

 禁書になったって、事実はあるけど

 どうして禁書になったのかってことは、どんなに調べても出てこない

 そもそも、そんな話知らないって奴もいた


251:名無しの異種族

 うわぁ、完全に隠蔽されてるやつじゃん


252:名無しの異種族

 名無しの魔族は、それをしってしまった、と?


253:考察厨

 これまた事実として、だけどな

 巫女姫伝説や魔神封印のことをおとぎ話として発表した作家がいたらしいんだ、魔族に

 でもその人、捕まって異端審問に掛けられて火あぶりにされたらしい


254:名無しの異種族

 :(;゛゜'ω゜'):


255:名無しの異種族

 ((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


256:名無しの異種族

 :(´◦ω◦`):ガクブル


257:ツイ廃

 魔神の封印は解かずに、聖女の封印だけ解くことは出来ませんか?


258:名無しの異種族

 特定班、どうなんだ??


259:特定班

 俺、鑑定は出来るけど

 解析できないんだけど


260:アマチュアサバイバー

 なんか盛り上がってんね

 とりあえず、じいちゃんに聞いてみようかね


261:名無しの異種族

 アマチュアサバイバー


262:名無しの異種族

 戻ってきたか


263:アマチュアサバイバー

 あ、そうそう、まだ稲刈り前だからってことで

 人数なんとか確保できた


264:名無しの異種族

 ???


265:名無しの異種族

 人数?

 確保??


266:アマチュアサバイバー

 クリスタル漬けのゴブリンの解体する、人手のこと

 農業ギルドに聞いてみたら、人集めてくれた


267:名無しの異種族

 マジか!


268:名無しの異種族

 でも、名無しの魔族のこと考えると複雑だな


269:アマチュアサバイバー

 つーても、どこの誰かなんて調べられないだろ


270:名無しの異種族

 うう、後味悪い


271:アマチュアサバイバー

 そうだなぁ

 あ、じゃあ、そういうのに詳しい知り合いがいるから連絡とってみるか


272:ツイ廃

 そういうのに、詳しい知り合いですか??


273:アマチュアサバイバー

 詳しいってより、神様とか魔神とかのダンジョンが好きで、そういうの中心に探索したり攻略してる奴がいるんだよ

 正確には知り合いの弟さんなんだけどさ


274:名無しの異種族

 ふむ


275:考察厨

 詳しい知識を持ってるのか


276:アマチュアサバイバー

 たしか、特定班と同じで鑑定スキルも持ってたはず

 むしろ、このこと知ったらそっちに乗り込んでいくかもな


277:名無しの異種族

 乗り込んでいくって、島に着けないのにどうやって行くつもりだ?


278:アマチュアサバイバー

 想像だけど、あの人の家族の場合、泳いで行けそうなんだよなぁ


279:名無しの異種族

 泳ぐ


280:名無しの異種族

 魔の海を泳ぐ


281:名無しの異種族

 え、無理じゃね?


282:アマチュアサバイバー

 ま、俺には無理だな

 でも、あの人やその家族ならやりかねないというか


283:名無しの異種族

 なに、その人たち化け物かなにかか?


284:アマチュアサバイバー

 化け物、たしかに化け物かもなぁ

 あそこの大陸の百姓、化け物並に強いし


285:名無しの異種族

 どうしてそんな人達と知り合いなの、アマチュアサバイバーwww


286:アマチュアサバイバー

 向こうの農業ギルドの親睦旅行があって

 その関係で交流会やった時に参加したんだ、その時に知り合った


287:名無しの異種族

 あー、納得


288:名無しの異種族

 なるほど


289:アマチュアサバイバー

 手紙だと、時間かかるか

 通信魔法なら繋がるはず

 ちょっと待ってろ


290:名無しの異種族

 ここに来て進展したな


291:名無しの異種族

 世界って、広いなあ


292:名無しの異種族

 (*´・ω・)(・ω・`*)ナ-


293:名無しの異種族

 >>291

 それな


294:ツイ廃

 とりあえず、なにか封印に関するものが無いかもう一度調べてみます


295:名無しの異種族

 お、やる気だな


296:ツイ廃

 いえ、そろそろ

 誰かと実際に話をしたいなって思って


297:名無しの異種族

 あー、文字だけだとたしかに物足りないか


298:名無しの異種族

 でも、スレ主が魔神倒したらガチの英雄になるんじゃね?


299:名無しの異種族

 封印を解いたらだな


300:名無しの異種族

 つーか、デス・エスカルゴのアヒージョはどうなった??


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