第7話

601:名無しの異種族

 んー、そりゃ、まぁ歴史に名前が残るってのは凄いことだと思うよ?

 でも、そんな重要視することか?


602:考察厨

 歴史上の偉人になるってこともそうだけど

 冒険者としての名誉と出世の道も開かれる


603:特定班

 冒険者として上に行く、英雄になる、伝説になる

 それにはたとえば、災害級のモンスターを倒したり

 それこそ、伝説にあるような世界を征服しようとする魔王のクビを取るしかない

 現代に世界征服しようっつー、ガッツのある組織あるか?

 無いだろ?


604:名無しの異種族

 あー、自分魔族で、出身も魔族の国だけど

 侵略とかそういうのはやってないなー

 しなくても食べていけるくらいは豊だし


605:特定班

 夢と書けば聞こえはいいけど

 どっちかっていうと野望かな

 特別な存在になりたいって言いかえることも出来るけど

 とにかく野望をもってる連中ってのは、厄介だよ

 それを否定はしないけどさ

 中でも、自分の正義ってのを持ってる連中は人の話を聞かないのが多い


606:考察厨

 他の伝説だと、聖剣や聖杯ってのはそれこそ世界を支配出来るっていわれてる

 これ、なんでだと思う?


607:名無しの異種族

 兵器ってことか?


608:名無しの異種族

 せかいさいきょーの武器ってやつ?


609:考察厨

 本当かどうかはわからないけど

 少なくとも、それを持ってるだけで代物なんだよ


610:名無しの異種族

 えーと、つまり??


611:名無しの異種族

 王様の証ってこと?


612:名無しの異種族

 聖剣が本物かどうかはわからないけど、聖杯は本物でしょ?

 違うの?


613:名無しの異種族

 >>612

 なんでわかるんだよ?


614:名無しの異種族

 >>612

 鑑定したの?


615:612

 いいや

 ただ、そうなんだろうなぁって

 だって、ワイングラス、つまり、聖杯の中に貯めた蒸留水を飲んだから、スレ主はありえないほどの超人的な力を手に入れたんでしょ?

 木よりも高くジャンプできたり、キメラ種をぶん殴ってぶっ飛ばしたり


616:名無しの異種族

 めちゃヤバい、ドーピング水だよな


617:名無しの異種族

 ポーション要らねーんじゃね?


618:612

 まぁ、これもスレ主が嘘をついてなければの話だけどね

 嘘をつく理由も無いけど


619:ツイ廃

 つまり、これ所持してると自分、世界の王様ってことですか!


620:名無しの異種族

 あー、なるほどだから巫女姫はその二つを持って生贄になったのか

 いや、させられたのか??


621:考察厨

 >>620

 まぁ、その辺のことは歴史のみぞ知る、だな

 聖剣については曖昧にしたかったけど、まぁ、仕方ないか


622:名無しの異種族

 物凄いお宝ってのはわかったけどさ

 現状、スレ主がいる無人島に行くには魔の海域を抜けなきゃいけないから

 それ目的の冒険者や英雄志望者がいたとしても、たぶん途中で海に沈むでしょ


623:ツイ廃

 個人的にはスキル無しの理由がわかってスッキリしたんで

 この聖剣と聖杯は、ここを無事に脱出して博物館にでも持っていきます


624:名無しの異種族

 お、ということは

 スレ主の、目標は生き延びるじゃなくて、その先、脱出ってことでおk??


625:名無しの異種族

 俺らも迎えにはいけないしな

 なにせ、前人未踏の魔の海域だし


626:名無しの異種族

 行けなくはないと思うけど

 転移魔法とかじゃないと無理だしね


627:名無しの異種族

 しかも、あれ一度行った場所じゃないと行けないからな


628:名無しの異種族

 そんじゃイカダつくるしかないか


629:名無しの異種族

 ま、のんびりやるしかないだろ

 急いては事を仕損じるって言葉もあるくらいだし


630:ツイ廃

 あ、あれかな?


631:名無しの異種族

 目的地着いたー??


632:ツイ廃

 たぶん、着きました

 古い塔、ですね


633:特定班

 画像くれ


634:ツイ廃

 わかってますよ

 つ【石造りの塔の画像】


635:名無しの異種族

 ( ゜д゜)


636:名無しの異種族

 (´°Д°`)


637:名無しの異種族

 え、待って待って

 この塔って、遺跡??


638:名無しの異種族

 おい、伝説の巫女姫の話ってどれくらい前のやつだったっけ??


639:名無しの異種族

 200年前とかじゃなかったっけ??


640:名無しの異種族

 >>639

 それは、聖剣とか聖杯のレプリカが流行った時期だ


641:名無しの異種族

 勇者伝説も巫女姫伝説も、大体500年から1000年前っていわれてる


642:考察厨

 巫女姫伝説については、本当のことだ

 当時の記録が残ってる

 だいたい今から600年前の歴史的事実だとされてる

 世界的に有名な、それこそ世界各地に残る勇者伝説については、1000年から2000年前の出来事だとされてる

 こっちは記録に残ってない

 1000年前より以前の遺跡なんかはことごとく破壊されて、ほとんどが鑑定出来ないようになってるんだ


643:名無しの異種族

 破壊って、なんで


644:考察厨

 さてね、魔神だか邪神だかを勇者様が倒したがために

 人類は奢り昂って神様の怒りにでも触れたんじゃねーの?

 人間は調子に乗る生き物だからな

 現に、破壊されたと見られる遺跡だが

 奇跡的にも、一部は鑑定できたらしい

 それによると、洪水にのまれたって鑑定結果が出るらしいぞ


645:ツイ廃

 それって、伝説にある終末の大雨のことでしょうか?


646:考察厨

 かもしれない

 本当のところは誰にもわからない

 それでも、人々を救った勇者伝説は口伝で残ったんだろうな


647:名無しの異種族

 まぁ、たしかに1000年前を基準にして、何も記録が出てこないんだもんな


648:特定班

 とりあえず、鑑定した

 ここ、封印の塚らしいぞ


649:名無しの異種族

 封印の塚?


650:名無しの異種族

 塚にしては、でかくね??


651:名無しの異種族

 一体、何を封印してるんだ?


652:特定班

 巫女姫と邪神


653:名無しの異種族

 はい?


654:名無しの異種族

 巫女姫と邪神??


655:特定班

 鑑定結果だとそう出たんだよ


656:名無しの異種族

 え、なんで?

 たしかに伝説だと神様の怒りを鎮めるために生贄になったって


657:考察厨

 伝説でも、記録でもそうだな


658:特定班

 でも、現実は封印か

 なるほどなるほど


659:考察厨

 これは、記録の方が嘘ついてたな

 もしくは、大人の事情ってやつで真実を伝えられなかったからか


660:名無しの異種族

 あー、たまにあるやつか


661:ツイ廃

 ちょっとだけ、中入ってみてもいいですかね?


662:名無しの異種族

 んあ?


663:名無しの異種族

 え、どうした急に?


664:名無しの異種族

 封印されてる巫女姫助けたいとか?


665:名無しの異種族

 お、いいねー!

 囚われのお姫様を助ける!王道じゃん!


666:ツイ廃

 助けるって、自分にはそんなスキル無いですよ

 いや、まぁ、助けられるなら、そうしたいですけど

 そうじゃなくて、ここなら雨風凌げるかなって


667:名無しの異種族

 すんげぇ、リアリストだった


668:名無しの異種族

 家作らなくてもいいもんな


669:名無しの異種族

 えー、丸太ハウスは?


670:名無しの異種族

 つーかさ、封印解いたら邪神まで復活するやつじゃね?


671:名無しの異種族

 ???


672:名無しの異種族

 あれ?

 なんか、変じゃね?


673:名無しの異種族

 変?


674:名無しの異種族

 なにが??


675:672

 いや、変でもない、のか?


676:名無しの異種族

 だから、なにが?


677:672

 記録だとどうかわからんけど

 聖剣と聖杯も、巫女姫と一緒に沈んだんだよな?

 まぁ、実際は封印だったみたいだけど


678:672

 素人考えなんだけど

 なんで、それが浜辺にあったんだろ?


679:672

 普通、一緒に封印されるか

 封印場所に転がってるもんじゃないの?


680:名無しの異種族

 しかも、ご丁寧に防水魔法のかかった箱に入ってたんだよな?


681:名無しの異種族

 封印の儀式で使ったとするなら

 その後、砂浜まで移動したってことになるけど


682:名無しの異種族

 しかも、剣はそのまま転がってて

 聖杯だけが箱に入ってた、わけだ


683:名無しの異種族

 あれかな?

 巫女姫の付き添いの人とか仲間が、封印を見届けて

 帰ろうとしたけど、帰る途中で船が沈んだ、とか?

 そんで聖剣と聖杯だけ流されてきた、とか??


684:名無しの異種族

 いやいやいや

 根本的におかしいだろ、それ


685:名無しの異種族

 前人未踏の魔の海域

 入ったら出てこれない

 でも、入るだけなら出来るとか?


686:名無しの異種族

 屁理屈じゃん


687:ツイ廃

 船は帰ってこなかった

 だから、沈んだとされた


688:名無しの異種族

 ん?


689:ツイ廃

 巫女姫を乗せた船は無事にこの島にたどり着いた

 そして、仕事、この場合は任務とかお役目でしょうか?

 とにかく、この島で邪神を封印するという仕事を終えた

 その後、巫女姫を乗せてきた船は帰ろうとしたけれど、魔の海域を抜けることはできなかった

 そして、船は帰らず

 それを待っていた人達は、船は沈んだと考えた

 けれど、邪神は封印されている

 つまり、世界は平和になっている

 だから、巫女姫も船員も、船も、尊い犠牲になったと、解釈されたとかどうでしょう?


690:名無しの異種族

 あー、ありそう


691:名無しの異種族

 ま、そんなところかな


692:名無しの異種族

 確認しようにもなぁ

 当時を知るのなんて、エルフくらいしかいないだろうし


693:名無しの異種族

 魔族は?


694:名無しの異種族

 あ、そっか、魔族の国ならなにかしら記録が残ってるかも?


695:ツイ廃

 とりあえず、暗くなってきたんで

 今日はこのダンジョンで休もうと思います


696:名無しの異種族

 そっか


697:名無しの異種族

 結構動いたもんな


698:名無しの異種族

 休憩は大事だ


699:名無しの異種族

 とりま、モンスターに喰われないよう気をつけろよ


700:ツイ廃

 はい、わかりました!

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