第21話 ボクシング 井上尚弥選手の試合を見て

 ボクシングは好きだけど詳しい訳ではない。小学校の頃印象に残っているのは大場政男VSチャチャイ・チオノイ戦とか輪島功一VS柳済斗戦なんてのがある。

 しかしまあ、この間の井上尚弥選手の試合は凄かったですねえ。うわっと言って見ているだけだった。凄かった。ひたすら凄かった。

 格闘技は大体好きだけれど、ボクシングが一番面白いかなあ。

 ボクシングってものすごい制約の中で戦っている。ウェイトもそうだし、打撃していい身体の範囲も限定されているし、拳のナックルの部分だけでしか殴れないとか。

 プロになるくらいの人間は運動神経も凄いだろうし、身体も強いだろうし、闘争心もあるだろう。そういう人たちがトレーニングを重ねて、厳しいルールの下で戦っている。その中で勝敗を決するんだから大変だ。

 改めて思うけど、制約が厳しいほど内容が濃くなるというか、生まれるものにエネルギーがあるというか、そんな気がする。

 なんでもありというのはそれはそれで面白い所もあるけど、制約が厳しい中で何かを実現しようとする方がパワーがあるような気がするし、感動も生むような気がする。

 怪獣映画も好きだけど、CGの凄さにびっくりしながらも、昔のミニチュアや操演や着ぐるみで何とか迫力のあるものを作ろうとした画面の迫力というか味わいにどうしても惹かれてしまう。

 人権とか人間の生存に関わることは自由でなければ絶対にいけない。けれどスポーツとか芸術には制限があることで生まれるものもあるんじゃないか。そんな気もする。

 

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