第3話

――――――――


―――――


―――……


834:掃除夫

おーい、戻ったぞ


835:名無しの異種族

あ、帰ってきた


836:掃除夫

とりま、二代目ちゃんと合流した

んで、【砂中サンドスライム】について色々聞いた

時間が無いから諸々端折るけど

このスライムは基本、海の底に生息してるらしい

様々な条件が重なると海上に出てきて、さらに砂浜に打ち上げられると言われてる

海底火山の噴火とか、水温の上昇とかそういうのだな

でも、詳しくはわかっていないらしい


837:名無しの異種族

あー、海底はたしかにまだ冒険者ですら冒険できない場所だもんな

そりゃ、未知のスライムくらいいても不思議じゃねーわ


838:掃除夫

とにかく、なにかしらの理由でサンドスライムは砂浜に打ち上げられ、近隣の漁村に今回のような被害をもたらした

二代目ちゃん曰く、海岸沿いのどっかの村が【巣】になってる可能性が高いらしい

今は増殖期で、とにかくその【巣】を見つけて駆除しないといけないらしい

女王スライムクイーン】がいて、そいつがサンドスライム達を産み続けているんだと

その女王をまず倒さないといけないみたいだ


839:名無しの異種族

女王蜂みたいに言われると、なんか複雑だな

スライムだし

つーか、アイツらに性別あんの??


840:二代目

便宜上、【女王クイーン】って呼んでるだけだ

なんなら、キングでもジェネラルでもいいんだけどな


841:掃除夫

まぁ、早い話がその手伝いをするよう、二代目ちゃんに頼まれた

さすがに、一人だと骨が折れるんだと

んで、軍の到着を待ってる時間が惜しいらしい

これ以上、被害が拡大すること考えるとたしかにってなった

んで嫁さんと相談して、受けることにした


842:名無しの異種族

え、じゃあ馬車の護衛というか防衛はどうするの??


843:掃除夫

>>842

馬車の運転を、ベテランバイト(次期バイトリーダー)に任せて

防衛を嫁さんと、バイトリーダー、娘に振り分けた

残った新人と中堅バイトの子たちが索敵と報告だ

俺とスレ主が二代目ちゃんと一緒に【巣】の駆除と【女王退治】だ


844:名無しの異種族

全員動けるようになってんのか


845:掃除夫

嫁さん、ぶっちゃけ俺より強いから

これでなんとかなると思う

武器は、二代目ちゃんが持ってきてた予備をもらった

新型のチェーンソーとドリルだ


846:名無しの異種族

あ、そこはあの広域破壊魔法兵器じゃないのね


847:二代目

>>846

生憎、それは一台しか無いんだ

それに、女性でも振り回せるよう調整したやつの方がいいかと思って、渡した


848:名無しの異種族

あー、男性と比べちゃうと、どうしても筋肉量が落ちるもんな


849:掃除夫

スレ主にも武器が渡されて、俺はとりあえず旧型の方が扱いやすかったから、それで行くことにした


850:名無しの異種族

ふむふむ


851:名無しの異種族

まぁ、たしかに使い慣れてる方がリスクは少ないか


852:二代目

あと、これは注意喚起も兼ねての脅しになるが

サンドスライムの怖いところがなんなのか、わかるか?


853:名無しの異種族

えっと、人間とか生き物を捕食するところ?


854:名無しの異種族

んー、雑食なところ、とか??


855:名無しの異種族

音もなく忍び寄ってくるところだろ

あれ、地味に怖いぞ


856:二代目

そう、その通りだ

でも、まだあるだろ?


857:名無しの異種族

え、なんだろ??


858:考察班

壁抜けが出来る

この表現が正しいかはわからないが、そういう事だろ


859:名無しの異種族

壁抜け??


860:名無しの異種族

そんなことしてるスライム居たっけ??


861:考察班

なぁ、掃除夫とスレ主に確認なんだが

丸呑みにされた馬車はどうなってた??

あと、最初に確認した家の状態は??


862:スレ主

どうって、俺たちの馬車は、あの粘液でベトベトになってたけど


863:掃除夫

馬車は、こっちもスレ主の言う通りだった

ただ家屋に関しては、粘液はそこまで無かったかなと思う

すくなくとも気にならない程度だったんだと思う


864:考察班

つまりは、そういうことだ

調べた時、家屋には施錠がされていた

扉が壊されるとか、家の一部が壊されるとか

そういったことが無かったのは、書き込みから察せられる

んで、家の中にはつい先程まで生活していた痕跡があり、でも人はいなかった

つまり、密室であったにも関わらず、人が忽然と消えていたわけだ

これは、鍵の有無に関わらず、サンドスライムの被害にあったってことだろ?


865:名無しの異種族

あっ


866:名無しの異種族

なるほど


867:考察班

加えて、土の中を潜って移動出来る上

モグラ塚みたいなものが出来ない、となると

物理法則を無視することが出来てると考えられる

だから【壁抜け】をしている可能性が考えられる


868:名無しの異種族

あー、たしかに


869:二代目

考察でそこまでわかるものなのか

驚いた


870:二代目

時折語られる、神様の怒りを買ったがために、滅んだ話とか

一夜にして街の人が消えた話とかあるだろ?

おとぎ話系の本に書かれてるやつだ

たぶん、それもサンドスライムの仕業だと思われる

打ち上げられ、内陸部まで行って人を飲み込んだんだろう


871:名無しの異種族

マジかよ


872:名無しの異種族

原因がわからないと、それっぽい説明つけたくなっちゃうもんな

つーか、神様=スライムだったとか、普通考えないもん


873:掃除夫

とりあえず、嫁さん達を送り出した

俺たちは、これから先行してスライム退治だ

嫁さん達との連絡はここ使うことにした

なんだかんだ早いし


874:掃除夫の娘

そんなわけで、よろしくお願いします

あと、二代目さん、パパのことよろしくお願いします


875:二代目

了解了解


876:二代目

さて、話を戻す

つまり、サンドスライムに襲われた時家の中に逃げ込んでも無駄

施錠しても関係なく入ってきて呑まれる


877:名無しの異種族

でも、食い散らかしがないから

肉食スライムと比べると、綺麗に食べてる方なんだよな


878:名無しの異種族

え、まってまって?!

それって、つまり、家の中に逃げても無駄ってこと??


879:二代目

そういうことだ

だから、もし遭遇したら全速力でなるべく遠くに逃げろ


880:考察班

そういうことになるよなぁ


881:掃除夫

加えて攻撃が基本体内からしか効かず、となれば

何も知らないと、ほぼ詰みだな

チェーンソーやドリルにしたって、対スライム武器として加工されてるからこそ効力があるわけだし


882:名無しの異種族

うわぁ


883:名無しの異種族

伝説の魔王より厄介じゃん


884:名無しの異種族

>>883

_(┐「ε:)_それな


885:名無しの異種族

伝説の魔王は勇者の専用装備じゃないと傷つけられないけど

対スライムの武器は誰にでも使えるから、まだ使い勝手はいい方じゃないか??


886:スレ主

俺氏、対スライム武器の魔力タンク扱いになってる件

(´;ω;`)


887:二代目

だって、想像以上に魔力があったから

使わない手は無いというか


888:掃除夫

俺も、スレ主のステータス確認して驚いたわ


889:名無しの異種族

そんなに数値デカかったん??


890:スレ主

あ〜、俺魔法が好きでさ

子供の頃からボコボコ魔法使ってたから

そのせいで魔力枯渇させてよく死にかけてたんだよね


891:名無しの異種族

たまにいるタイプだな


892:名無しの異種族

で、スレ主の魔力数値はいくつなん??


893:掃除夫

聞いて驚け、無限大だ


894:名無しの異種族

は?


895:名無しの異種族

はい??


896:掃除夫

好きこそ物の上手なれってやつだよな

噂には聞いたことがあったが、さすがに無限大表記のやつに遭遇するとは思ってなかったから、確認して驚いたわ


897:名無しの異種族

そりゃ驚くわな


898:名無しの異種族

無限大って、伝説の勇者パーティの魔法使いじゃん


899:スレ主

まぁ、この表記のおかげで、ステータス確認されると

その度に、確認用の水晶の故障扱いになる件


900:名無しの異種族

あ、信じてもらえないやつね


901:スレ主

おかげで苦労することも、それなりにあってさぁ

でも、今回は好きなだけ魔力消費できるから、丁度いいかも


902:掃除夫

ぶっちゃけ、俺要らないんじゃないかなとは思ったけど

あの対スライム用の必殺武器にも弱点があってだな

それが、使用者の魔力を吸い上げて充填、放つまでのタイムラグなんだ

ほんの数秒なんだけど、その数秒のうちに使用者が襲われたら、終わりだからな

もしもそれで武器まで呑まれたら、笑い話にもなんねぇってことで、フォローというか護衛で付き合うことになった


903:掃除夫

とりあえず、駆除が終わったら後で報告に来る

スレも残り少ないし、改めて報告スレ建てることにする

ノシ


904:名無しの異種族

了解(・ω・)ノシ


905:名無しの異種族

( ・ω・)ゞ


906:名無しの異種族

とりま、健闘を祈る


907:掃除夫の娘

無茶はしないでね、パパ


908:掃除夫

わかってるって

とりあえず、お前はママとバイトの子たちを守るんだぞ?

いいな?


909:掃除夫の娘

うん


910:掃除夫

いい子だ


911:名無しの異種族

テラー


912:名無しの異種族

てらー


913:名無しの異種族

いてら

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