宣戦布告

時計の針が予定の時刻を指し私は小さく息を吐いた。大丈夫。きっと上手くいく。そんな事を考えながらアジトの外へと出ていった。



「ライ…大丈夫?」


「ニーナ……大丈夫。ありがとう」


「何かあったら言ってね……首領ーこっち準備出来たよ!」


「分かった。これより移動を開始する。行くぞ」


その一言で私達は一気に地を蹴り走り出した。リリー、皆……もう少しだけ待ってて。絶対にサフズルを地獄に落としてみせるから……!


「でもさなんで走っての移動なんだろうね。車の方が早くない?」


「……車だとバレる可能性があるから。それに車だと大掛かりの移動になるでしょ」


「あっそっか流石ライ!」


ニーナとそんな会話をしていれば首筋が焼けるようなそんな鋭い視線を感じ私は思わず足を止め辺りを見渡した。隣にいたニーナも私につられるように足を止めキョロキョロと見渡し「ライ?どうしたの?」と問いかけてきた。


「……なんでもない。行こう」


「そう?早く行こ!」


私は頷きまた足を進め目的地であるサフズルのアジトへと向かった。後ろから感じる視線にも気を配りながら。



暫くしてようやく目的地にたどり着けば首領と視線を交し頷けばライカが作った信煙弾を天高くに打ち上げた。赤い信煙弾が意味するのは宣戦布告。もうすぐこの復讐に必ず終わりを告げる。私は少し震える手を握りしめ睨みつけるようにサフズルのアジトを見つめ小さくこう呟いた。




「さぁサフズルの皆様。お覚悟は宜しくて……?」

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