この復讐が終われば……

あの日から私はアルフィーから得た情報を元にどうすればサフズルのボスに近づけるか。どうすればサフズルを壊せるか。そればかりを考えていた。


「もう少し……もう少しなのにっ……!」


「ライ焦るなよ」


「っ……でも……」


「大丈夫。とりあえず今は別の事考えろ。」


「……分かった」


アレンと2人でサフズルについて調べていると乱雑にドアが開けられ私たちは一斉にドアの方を向いた。


「……ライカ?」


「ったく脅かすなよ……それで?そんなに慌ててどうした?」


「首領が呼んでるよ。ライ」


「……私?分かったありがとう」



私はにこりと笑みを浮かべ立ち上がってロビーの方へと向かった




ロビーへ着けば首領は読んでいた本から目を私の方へ向けてから「ライ。悪いな急に呼び出して」と告げてきた。


「いえ……それでどういった内容で…?」


「あぁ…サフズルについてどこまで掴んだかの確認だ」


「えっと……だいたいは。サフズルのボスのテオフィルの能力はまだ掴めてませんが……」



「そうか。分かった」


「ただ…相手側はもうかなり私を警戒していると思います。アルフィーが戻ってこないということももう知られてる……早めに終わらせないと共倒れになる可能性があります」



「そうか……ならまずは手足……構成員を潰しておこう。1週間後行動に移す。他の奴らにもそう伝えておいてくれ」


「分かりました首領」


「それと……ライの能力の使用を禁止する。手札は出来る限り隠しておきたいからな」


「……分かりました」


「暫く情報収集はやめてライカに暗殺術を学んでおけ。あれくらいの構成員くらいなら付け焼き刃でも通用するだろう」



「分かりました。では私はこれで」


私はくるりと後ろを向き歩き出そうとすれば「この復讐が終わればお前はどうするんだ…」と首領から小さく告げられた言葉に私は聞こえないフリをして他の団員達に先程の首領からの指示を伝えに回った。

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