となりは君に居て欲しい5
そんなこんなで迎えたクリスマス当日
前日から選びに選んだ服を着て家の玄関前まで来ていた
ふっ…緊張するぜ!
心臓が鼻から出そうだ!!
…プレゼントこれで良かっただろうか?
今さら言っても仕方がないが…だ、大丈夫だ俺!
自信を持て!
「…何してるのよ神川君?」
「うお!?ビックリした…何故ここに?」
「ここは私の家だもの」
「…そりゃそうだ!」
「で?玄関前で何を不審者ムーブしてるのよ?」
「不審者ムーブ何かしてないぞ!?」
「…で、今日はどうするのよ?」
「取り敢えず町の方に行かないか?」
「……いいわよ」
「よし!行こう!」
ちょっとため息をついた月野さんは
俺の後ろをついて駅に行き電車に乗り
町の方に来た
「流石に多いな…」
「クリスマスだもの…当然よ」
「確かに…よし、まずはごはん食べようか?」
「あら、お店押さえてあるのかしら?」
「抜かり無し!」
そう、今日のために人気のレストランを予約したのだ!
いやぁ~…大変だった…クリスマス舐めてた!
しかし俺は頑張ったのだ!
「へぇ~…やるじゃん神川君…行こ?」
少し嬉しそうにした月野さんを見て
これだけで元が取れたなの思いつつ
俺達はレストランに向かった
「予約してた、神川です。」
ふっ…決まったぜ
とっても大人になった気分だぜ!
俺達は席に通されそこで飲み物を選び
食事を待っていると最初の料理が運ばれてきて
「へぇ~…美味しそうね?」
「だね。」
こうゆう所のサラダは何か旨そうだよな!
「乾杯しましょ?」
「そうしよう!」
俺達はせっかくだからとシャンパンを選んだ
…月野さんがお酒を飲む…このシチュエーションだけで
何か…こう…嬉しいな!
「「乾杯」」
2人は静かにグラスを当て口をつける
…お、旨いな…飲みやすい
「美味しいね月野さん……月野さん?」
何か顔真っ赤何ですけど…
「だ、大丈夫か?」
「…何がよ?」
「もしかして、酒弱いのか?」
「知らないわよ、初めて飲んだもの」
「初めてを奪っちまったか」
「その言い方、気色悪いからやめて?」
「気色悪い言うな!?」
「…うるさいわね…サラダ、旨いわ」
いつものお淑やかな感じからは想像できないくらい
ワイルドにフォークを突き刺して食べ始めた
「すごくワイルドに食べたね!?」
「豪快に食べた方が食べ物は美味しいのよ」
「それは分からなくもないが…」
「ってか食べないなら頂戴?」
「食べるわ!取ろうとしないで!?」
俺は急いで食べた…うまいな
「神川君が私のサラダ取った…」
「取ってないしこれは俺のだよ!?」
「君のものは私のものだよ?」
「ジャイアン!?」
「ジャイ子よ?」
「ジャイ子はそんなこと多分言わない!」
そんな会話をしているとメインのステーキが
やって来た。
「おぉ…結構がっつりステーキだな」
「うんまそぉ~!」
「キャラ違うくないか!?トリコみたいになってるし!」
「頂きます。」
そう言ってステーキの真ん中をフォークで突き刺し…
ってまてまてまって!?
「君はジャック・ハンマーなのかな!?」
「誰よその女?」
「男だよ!?」
「私とデートしてるのに他の人の名前出さないで!」
「漫画のキャラだよ!?」
「私の名前だけ呼びなさい!」
「そんなキャラだっけ!?」
お酒で変わるタイプ…と言うか
隠し事が出来なくなるタイプか…気を付けてあげよう。
「何考えてるのよ…私のことモグモグだけ考えモグモグなさい!」
「食べてから話そうね!?」
「ごっくん…ステーキ頂戴?」
「嫌だよ!?メインだよ!?」
「ケチね…小さいのはアソコだけにして欲しいものだわ」
「大丈夫?俺が乗り移ってない?」
「神川君が私の中に入ってるの?」
「その言い方、すっごく気になる!?」
こうして俺達の食事&初飲酒は終わっていくのだった…
この子は外で飲ませたらダメだな…
俺達は食事を終えて外に出た
「ふぅ…旨かったね」
「そうね…」
「次、行きたい場所ある?」
「う、うるさいわね…うおおお!」
「どうしたの月野さん!?」
まだ酔っぱらってるのか?
「着いてきなさい神川君!」
「は、はい!」
俺は月野さんに手を引かれどこかに
勇み足で連れていかれる
手柔らかいな…とか考えていると
足がピタリと止まり
「……ここ行きましょう」
「…間違えてない?」
「調べたから間違えてない!」
「本当に?」
「本当に!」
「…酔ってる?」
「よ、酔ってるわよ!」
彼女は明らかに動揺した素振りを見せた
当然である…何故なら
ここはホテルの前だからである。
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