コンビニの女の子
コンビニのあのバイトの女の子が気になっていた。
このアパートに引っ越しして一年、アパートの下にコンビニがあり、ほぼ毎日通っている。
そのコンビニにバイトの女の子がいる。ほぼ毎日いるので、ひょっとしたら正社員かもしれない。コロナのご時世で、店員はみんなマスクをしている。その女の子も当然、勤務中はマスク着用。
かわいい女の子だ。コンビニに行くたびに気になっている。その雰囲気と仕草は100%タイプの女の子。しかし顔は一度も見たことがなかった。
そのまま1年間経った。職場には友達がいない。毎日コンビニに寄るのが一番の幸せだった。別に顔を知らなくても良いと思った。アイドルだって素顔を知ったら何も得しないだろう。
転勤が決まり、引越しすることになった。これからもうバイトの女の子と会えないかもしれない。せめて最後の1週間は今までのまま過ごそうと思った。コンビニに向かう。店の前に、店員の制服姿の人が数人いた。打ち合わせかな、と思ったら、マスクをしていないかわいい女の子がいた。3秒止まっていたら、まさにバイトの女の子だったことを認識した。そしてその女の子は、タバコを吸っている。
気まずい空気だったが、とりあえず水を買って帰った。
俺はタバコを吸わないが、タバコを吸う人に偏見を持っていないはずだ。でもなんかモヤモヤした気持ちになった。
最後の1週間は、ちょっと遠いコンビニに通い、さっさと引越しを済ませた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます