侯爵令嬢は今日もにこやかに断罪する【番外編置場】

ミアキス

三人の妻はにこやかに国王である夫を教育する

プロローグ


「さて。何とかグレインとグレイスの決着は付きましたわね…」


 フウと息を吐き出しながら、王妃エリザベス・リードビッヒは、二人がけのソファに腰を下ろすなり、勢いよく後ろへもたれこんだ。


「グレインは、意外とすんなり受け入れましたわねぇ…」


 その向かい側のソファの右側にちょこんと腰かけた二妃。エリアナ・リードビッヒは頬に手を当て、ニコニコと笑っている。


「バカなのは陛下にからかと思ってましたけど、実際は母親グレイスの方でしたのね。で、潔さと聞き分けの良さは父親アルベルト殿に似たと……」


 ドサッと乱暴に二妃の隣に腰を下ろしたのは三妃のイザベラ・リードビッヒだ。


「グレインはグレイスの関わっていないことに関しては、素直で好感の持てる子でしたからね。ですが、あの娘は……」


「そうですわねぇ。すこぉしグレイス様の考え方に似た子ですから、グレイス様同様に、お独りでお休みになるでしょう♪」


 いい事を思いついたと言わんばかりに、顔の前で両手をパチンと合わせる二妃。


「「…………」」


 そんな二妃の言葉に、王妃はコッソリと。三妃はひくりと片頬を引き攣らせながらも、後宮のお茶会が始まったーーーー。




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