【実話】生きづらさを抱える私から見た家族
かのん
私は好き!
小学生の頃、実家で漫画を読んでいると「それ、好きなの?」と祖父母が尋ねてきた。それはクラスの誰も知らない、無名の漫画だった。流行りものを好きになれず、学校で孤立していた私は「うん。でも、周りに好きな子いなくて......」と、おそるおそる答えた。すると彼女は破顔一笑、「そう?私は好き!」と大声で返してくれた。(あれ。人と違っても、いいんだー)許してもらえた、そんな気がした。他人とズレるのは、恥ずかしいことじゃない。今いる場所が、全てじゃない。どこかに、きっと分かってくれる人がいる。それも、意外と近くにー現在、祖父母は他界し、私は母となった。マイペースな我が子にハラハラして「みんなと同じにしなさい」と口から出そうになると「私は好き!」と、彼女の笑顔が蘇る。あの日、最も欲しかった言葉を、いつか子供にもかけてあげたい。いつか世界になじめない時が来ても、そんな自分でも、愛することができるように。
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