【巻五九 孫和】蓋所不足論

「呂岱全琮……?」



殷基通語曰:初權既立和為太子,而封霸為魯王,初拜猶同宮室,禮秩未分。羣公之議,以為太子、國王上下有序,禮秩宜異,於是分宮別僚,而隙端開矣。自侍御賓客造為二端,仇黨疑貳,滋延大臣。丞相陸遜、大將軍諸葛恪、太常顧譚、驃騎將軍朱據、會稽太守滕胤、大都督施績、尚書丁密等奉禮而行,宗事太子,驃騎將軍步騭、鎮南將軍呂岱、大司馬全琮、左將軍呂據、中書令孫弘等附魯王,中外官僚將軍大臣舉國中分。權患之,謂侍中孫峻曰:「子弟不睦,臣下分部,將有袁氏之敗,為天下笑。一人立者,安得不亂?」於是有改嗣之規矣。


臣松之以為

袁紹、劉表謂尚、琮為賢,本有傳後之意,異於孫權既以立和而復寵霸,坐生亂階,自構家禍,方之袁、劉,昬悖甚矣。步騭以德度著稱,為吳良臣,而阿附於霸,事同楊竺,何哉?和既正位,適庶分定,就使才德不殊,猶將義不黨庶,況霸實無聞,而和為令嗣乎?夫邪僻之人,豈其舉體無善,但一為不善,眾美皆亡耳。騭若果有此事,則其餘不足觀矣!


(漢籍電子文献資料庫三國志 1370頁 ちくま7-287 罵詈雑言)



○解説

 みんな大好き二宮にきゅうの変の時間だよー!

 孫権そんけんヘーカが血迷って後継者を誰にするか散々迷ったあげく、聡明な孫和そんかを太子の座から廃し、幽閉までしてしまいました。

 この事件に対して殷基いんきが『通語つうご』にて語るのです。孫和派に陸遜りくそん諸葛恪しょかつかく顧譚こたん朱據しゅきょ滕胤とういん施績しせき丁密ていみつがつき、孫覇そんは派に步騭ほしつ呂岱りょたい全琮ぜんそう呂據りょきょ孫弘そんこうがつきました、このままだとヤバいと思った孫権が孫和を太子の座から廃しようと考え、事態を混迷に陥れます。最終的な結論が孫和孫覇双方を殺し、別の皇子(孫亮そんりょう)を立てる、だから、マジで救われませんよねこのお話。

 この事態に裴松之はいしょうし先生、くぬやろーと憤怒されます。

 孫権のやらかしたこと、どう考えても袁紹えんしょうとか劉表りゅうひょう以下! 後継者なんて孫和で良かったじゃんよどう考えても! それにしてもこういうことをやらかしたら步騭がいくら名臣だって言ってもおしまいだよね! 

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