【巻五四 周瑜】殆為攘肅之善

「魯粛のいいとこ盗みやがった!」



江表傳曰:權拔刀斫前奏案曰:「諸將吏敢復有言當迎操者,與此案同!」及會罷之夜,瑜請見曰:「諸人徒見操書,言水步八十萬,而各恐懾,不復料其虛實,便開此議,甚無謂也。今以實校之,彼所將中國人,不過十五六萬,且軍已久疲,所得表眾,亦極七八萬耳,尚懷狐疑。夫以疲病之卒,御狐疑之眾,眾數雖多,甚未足畏。得精兵五萬,自足制之,願將軍勿慮。」權撫背曰:「公瑾,卿言至此,甚合孤心。子布、文表諸人,各顧妻子,挾持私慮,深失所望,獨卿與子敬與孤同耳,此天以卿二人贊孤也。五萬兵難卒合,已選三萬人,船糧戰具俱辦,卿與子敬、程公便在前發,孤當續發人眾,多載資糧,為卿後援。卿能辦之者誠決,邂逅不如意,便還就孤,孤當與孟德決之。」   


臣松之以為

建計拒曹公,實始魯肅。于時周瑜使鄱陽,肅勸權呼瑜,瑜使鄱陽還,但與肅闇同,故能共成大勳。本傳直云,權延見羣下,問以計策,瑜擺撥眾人之議,獨言抗拒之計,了不云肅先有謀,殆為攘肅之善也。


(漢籍電子文献資料庫三國志 1262頁 ちくま7-058 批判)



○解説

 迫り来る曹操そうそう軍を前に煮え切らない孫権そんけん周瑜しゅうゆが説得、ついに開戦に踏み切らせます。いわゆる赤壁せきへきの戦い前夜のこと。周瑜伝はここのエピソードを周瑜と孫権の話に特化し、注釈である江表伝こうひょうでんもやはり孫権と周瑜の会話に終始します。

 んのやろー! 裴松之はいしょうし先生がおキレになるのです。

 おいおいなんか本伝も江表伝も周瑜の手柄にしたいみたいだけどなー、開戦派が開戦に踏み切れるだけのお膳立て整えたのは魯粛ろしゅくだぞ! だのになんで周瑜だけが功績を挙げたみたく書いてんだ! こんなん



○皆様のコメント


・波間丿乀歳

 いや魯粛伝で普通に紹介してんじゃん。ここ周瑜伝ですよ裴松之先生?

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