【 助け 】
救急隊が落ちた中年の男性の元へと走るのが見えた。
それと同じタイミングで、この階の上から女の人の叫び声が聞こえる。
すると、ベランダの手すりに両手を乗せていた私の目の前を、また一人、人が落ちていった。
私の顔のすぐ前で、その髪の長い若い女性と目が合う。
距離にして、1メートルもなかったと思う。
わずか1秒にも満たない時間だったが、それはハッキリと私のメモリ内に映像として保存された。
その女性は、目の玉が飛び出してしまうほどに目を見開き、赤い口紅を付けた口が大きく開いて、私にこう言ったような気がした。
「助けて」と……。
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