第41話  再会の喜び

私は旭の部屋で彼の脳を修復していた。洗脳するより洗脳を解く方が遥に難しいのだ。


しばらくして落ち着いた旭は私を見て涙を流した。


「七香〜………俺……何してたんだろう?」


「大丈夫よラミアの子に洗脳されていただけだから、徐々に記憶の修復をしましょう」


私は旭を抱きしめて優しく背中をさすった。


「七香〜…………」旭は私の胸に顔を埋めて泣いている。


落ち着いてきた旭は心配そうに聞いてきた。


「父さんや母さんはどうなるの?」


「大丈夫よ、しばらくは私が洗脳するけど、徐々に元の記憶に戻れるようになるわ」


「そうなんだ、なんか頭の中が変な感じ」不安そうに私を見た。


「明日から学校のみんなも記憶を修正しなくちゃあね」


「そうだね」旭は少しづつ優しいいつもの顔に戻って来た。


夜になって旭の両親が帰ってくると、お友達という事で近づき洗脳した。


思ったより早く私の事を思い出し、何事もなかったように接してくれた。


旭の部屋へ戻ると私は旭に抱きついた「会いたかったよ旭〜」


「七香、俺も心の中にある不安がずっと消えなかったんだけど、七香が戻ってきたらその不安がなくなったよ」


「そう……旭の心は私を忘れずにいてくれたのね」私はまた旭を強く抱きしめた。


翌日クラスにまた帰って来たという事で紹介された。


クラスのみんなは不思議そうな顔で私を見ている。


しかし遥ちゃんは「お帰りなさい」そう言って手を振った。


「あれ?遥ちゃんは洗脳されてなかったの?」私は聞いた。


「私も洗脳されたけど、お母さんが洗脳を解いてくれたの、でもそれが知られるとラミアの子に何をされるかわからないから黙ってたの」ニッコリ微笑んだ。


「そうなんだ」私も微笑んだ。


それから数日間で何とかクラスみんなの記憶を修復した。


やっと平和な時間が戻って来たような気がした。

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