交換租界都市
剣『では最後に交換租界都市について説明しよう!』
チ「一番良くわからないシステムでもあるんだにゃ!」
剣『これは読んで字のごとく、『租界を交換する』それだけです!』
チ「そもそも租界がわからないんだにゃあ!」
剣『では順を追って説明しますと、租界とは近代中国『清』でやった政策で、欧米諸国に言われて無理矢理作った欧米の植民地です』
チ「ず、随分あっさりとした説明だにゃあ……それに植民地を気前よくあげすぎだにゃあ!」
剣『まあ、当時の清は実は植民地がどういう意味になるのかよくわかっていなかったみたいなんだ。そこで、特に必要のない土地を貸し与えたのが租界だ』
チ「にゃあ? 植民地じゃないのかにゃ?」
剣『その辺を厳密に言うと色々と意見が出てくるので割愛。ただ、わかりやすい例が香港だね』
チ「聞き覚えがあるんだにゃ!」
剣『貸借契約が切れるまではあそこはイギリス領だったんだけど……………………まあ、どっちの方が良かったのかは言うまでも無いよね?』
チ「最近の香港は元気が無いし、色々と揉めてるんだにゃあ……」
剣『ここで重要なヒントが出てくる。では何故、香港はイギリス領だったのに、発展したんでしょう?』
チ「にゃあ……何か自由貿易都市とか色んな理由があったような……………………」
剣『それも大きな理由ですが、最大の要因は『外国が近くにあるから』ですね』
チ「にゃあ?」
剣『沖縄でもそうですけど、実は米軍基地の側でめっちゃ景気が良いんです。色々と文化的軋轢はあるのも確かですが、異なる文化圏がすぐ近くにあると、良くも悪くも影響を与え合って経済が発展するんです』
チ「にゃあ? 意味が解らないんだにゃあ?」
剣『うーん例えばだけど、今住んでる町の隣が、ある日いきなり『ドイツの貸借地』になったとしよう』
チ「凄い出来事だにゃ?」
剣『そこにドイツは何を作ると思う?』
チ「にゃあ? 日本で商売する拠点を作るんかにゃ?」
剣『そうなるねぇ。そうなると、自分の町はどうなると思う?』
チ「にゃあ……良くも悪くも影響を受けるんだにゃ……」
剣『流石に思い浮かべにくいかな? こういうことが起きたりもするんだ。『ドイツでしか出来ないことをすぐ隣で出来る』って考えたらどうだろう?』
チ「にゃあ! それをやりたい人が集まってくるんだにゃ! しかもドイツなんて簡単に行けないから、凄く助かるんだにゃ!」
剣『そして、『交換』と銘打ってあるなら、当然のことながら、日本の貸借地もドイツにあるけど、そっちはどうなると思う?』
チ「にゃあ……向こうだと表現厳しいから日本の漫画を直で観たい人が集まり……こっちも発展するんだにゃ!」
剣『このように土地を交換すると色んな事が出来るようになるんです。やることの幅が広くなるんですね』
チ「凄いことだにゃあ!」
剣『これが、宇宙レベルだともっと大きな意義が生まれます』
チ「にゃあ?」
剣『例えば、宇宙随一の研究機関がある場所の周りに租界があったら、当然ながら同じような学校をそこに立てますよね?』
チ「確かに! 技術を簡単に学べるんだにゃ!」
剣『しかも学ぶだけじゃなくて、技術交流も深められますよね?』
チ「確かに! 色んなことが出来るんだにゃ!」
剣『特にこの世界では地球は未開国です。ニューガン皇国は日本との間で交換租界契約結んでいるんですが、どちらの租界も互いに重要な拠点になっています』
チ「凄いんだにゃ!」
剣『これも地方発展のやり方の一つですね。さっき言った小分け経済論の場合、どうしても乱発が出来ないので、制限はありますが、こっちはそういう制限はありません。まあ、土地が余っていないと出来ないという弱点はありますが、これも地方発展のやり方としてありますよってことです』
チ「色々と考えられているんだにゃ!」
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