JAPON大好きバネッサちゃんと、女の子みたいなボク
ヤッキムン
第1話
ロンドンで生まれた。
そして、そのあと、パリに行った。
幼稚園に入ってから、バネッサちゃんていう名前の、フランス人の可愛い女の子と、お友達になった。
いつも、「ぜったいお嫁さんになるーっ」って言ってくれている。そしてボクのほっぺに、いつもチュッてしてくれる。めっちゃ可愛らしい女の子だ。
パパどうしが、同じ会社の仕事仲間だったので、それで、バネッサちゃんと知り合って、仲良く遊ぶようになった。バネッサちゃんは、ママが日本人だから、日本語もしゃべれて、バネッサちゃんとは、いつも日本語でしゃべっている。
バネッサちゃんはオルセー美術館が大好きで、よくいっしょに絵を観に行くけど、特に、カバネルさんと、ブーグローさんていう2人の画家の描いた、それぞれの「ヴィーナス誕生」の2作品のこと、めっちゃ好きらしい。オルセー美術館に行くと、いつも真っ先に、この2つの絵のところに行ってる。ボクも大好きだ。オルセー美術館に入ると、いつも2人で、この絵のところにダーッて走って、観に行く。印象派絵画の集められた美術館だけど、「ヴィーナス誕生」の2作品も、オルセー美術館にある。
バネッサちゃんは、ルノワールの肖像画の女の子に、なんとなく、良く似ている。特にイレーヌちゃん。イレーヌちゃんの肖像画を見た時、バネッサちゃんかと思った。横顔なんて、とても良く似ている。そっくりさんだ。バネッサちゃんにむかって、「イレーヌちゃん!」って呼んだら、返事がなかったから、やめた。
バネッサちゃんとボクは、セーヌ川を遊覧船にいっしょに乗って、街並みを見るのが大好きだ。
パリの小学校に、いっしょに入学して、3年生まで、2人で仲良く通ってたんだけど、ボクは4年生の時に、愛媛県松山市の小学校に転校することになった。
パリの空港に、バネッサちゃんも、お見送りに来てくれて、ほっぺにチュッて、してくれた。「Japon大好きだから、わたしも、そのうちJaponに行くからねーっ!その時まで待っててねーっ!」
「うん!わかった!早く日本に来てねーっ!」
松山の小学校のみんなは、転校生にとても優しくて、すぐ、みんなと友達になれた。松山は、坊っちゃんの舞台だから、他から来る転校生には、優しく接してくれる。パリから転校して来たって言ったら、みんな面白そうに、興味を持ってくれた。他のクラスからも、どんな転校生が来たのかと、自分のクラスまで、見に来てた。「ボンジュ~ル!」って、みんなに言ったら、みんなも嬉しそうに「ボンジュ~ル!」って返してくれた。
どちらかというと、フランス語のほうが得意で話しやすかったけど、だんだん、松山の方言で、みんなと話せるようになっていった。
修学旅行で、別府温泉に行った。松山には道後温泉があるから、それで、別府温泉も見ておこうっていう、先生の考えだったのかな。松山から船に乗って大分まで行った。
小学校を卒業して、それから松山城のすぐ近くの中学校に入学する時に、バネッサちゃんがパリから松山にやって来た。「ひさしぶりーっ!」って言ってボクのほっぺにチュッてしてくれた、そのほっぺにチュッていうのが、ひさしぶりだ。そして、いっしょに同じ中学に通うことになった。バネッサちゃんは日本大好きで、どうしても、中学生になる時に日本に行きたいと言って、パパとママを説得して、1人で松山に来たらしい。パパとママは、まだパリで仕事をしてるけど、バネッサちゃんだけ、1人で松山に来たのだ。バネッサちゃんのこと、どうかよろしくって、ご両親にも言われて、ボクの家で、いっしょに暮らすことになった。バネッサちゃんは日本に来れて、そしてボクといっしょの家で暮らすこと出来て、めっちゃ喜んでいる。ボクもめっちゃ嬉しい。
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