第97話 みっちゃんの異常行動は!
俺は新たに悪意あるスキルを無効にすべく、スキルレジストを取り、風呂を出た後寝間着に着替えていた。スキル考察は風呂に入りながらだった。時間を決め、メイドが男タイムと女タイムを切り替えている。切り替え時間に入っていると追い出される。これは俺に対してでもであり、例外はないと命じてある。
着替えと言ってもバスローブから寝間着に着替えるだけだが、ノックなしにドアが開いた。いや、俺が聞きそびれたようだ。
「少し待っていて」
多分みっちゃんなのだろうと思う。しかし、待たずに謝ってきたのだが、声がしたのは低い位置だった。
「ごめんなさい!あたし何も見えなくなっていたの。瑞希を守るのはあたしだって。やりすぎたの。自分でもわかっているの」
土下座をしているみっちゃんを起こす。アイリーンに謝った方が良いと言われて来たのだろう。先程の血走った目ではなく、穏やかな顔に見える。先程とは別人のようにしか見えない。やはり先程の事はスキルの影響のようだ。
「みっちゃん、少し散歩しようか?話はその時にするよ」
彼女は頷く。
「失礼するよ」
俺はひょいっとお姫様抱っこして、夜空に飛んだ。
「少し飛ぼう。ほら月明かりに照らされた町は綺麗でしょ」
「本当にごめんなさい。私どうかしていたの」
「君、スキルに飲まれているね?感情が制御できていないだろ?君の力を見た時に違和感があったんだ。さっきは言わなかったけど、スキル制御のスキルを取らないとだよ。一応あるんだ。君のスキルは強大過ぎるんだよ。俺のは正直大したのじゃなく、組み合わせ次第で凄いのだけど、君のドッペルゲンガーは間違いなくチートだ。あながちあの王女の言っていた事は間違いじゃないんだな。俺も飛翔のスキルを使うと少し滾るんだ。だけど、精神力で抑えているけど、どこからともなく女を犯せ!と囁いているような気分になるんだ。だから自分の攻撃性を抑えないとなんだ。取り敢えず短時間の発動にし、精神異常が起こると認識して、抑え込むんだ。アイリーンも鑑定を使うと少しイラッとしていたようだけどね。俺達は異世界に来たからストレスにさらされているから気にしなかったけど、君の行動から確信したんだ」
「でも、一歩間違えたらレオンを殺しちゃったかもなのよ?確かに瑞希に対して許せない!この人死んだほうが良いかも?死んだらラッキー位なら気持ちで、刺せば少しは反省するかな?って、何でそんな事を思ったのか自分でも不思議なの。言っている事が支離滅裂なのは分かるけど、あの時はそうじゃなかったの」
「それがスキルに飲まれた証拠だよ。取り敢えず、夜空の散歩で心を落ち着けようよ。もしも悪い事をしたのだと思うなら、エンピアルに優しくしてやって欲しい。彼女はこころを閉ざしていたからか、表情が無いんだ」
「うん。分かったわ。本当にごめんなさい。それより、この格好かなり恥ずかしいわよ?私の立場じゃ変な事をしても我慢するけど、私の胸って小さいから触っても楽しめないかも」
「冗談が言える位にはなったんだな。これからスキルを使う時は、精神浸食があると思った方が良い。それと、俺は君を許すも何も、怒っていないから、もう謝らないで」
「有難う・・・」
その後屋敷に戻るべく、方向転換をしたのであった。
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