第61話 side みーちゃん3

 食堂?に通されると長テーブルのひとつに案内されたわ。


 私達7人は腰を掛けたけど、あれ?私が真ん中じゃないの。右隣にさっき間抜けな醜態を晒したアホの真田で、なみが左ね。


 さっきの女性とその両脇にさっきの2人ね。


 3人が揃ったので私達も立ったわ。


「畏まらなくても良いのよ。まずは腰を掛けて、お茶でも飲んで落ち着きなさいな。おトイレは大丈夫かしら?。改めて、私はこの屋敷の主のイデア。この子達の師匠をしているの。あなた達の身の回りの世話はこの2人にお願いしているから、この後は何かあれば2人に聞いて頂戴。歳も近いし仲良くしてくれると嬉しいわ。それとあなた達の名前を教えて頂けるかしら?」


 そこから軽い自己紹介をしたけど、最初に促されたのは私だったわ。イデアさんは私の方を見て話すから、多分私がリーダーという事になっているのかしら?


「先ずは疑問に思っている事についてお話ししましょう。私には予知能力があり、数日前に彼の国がついに異世界召喚を行う事が分かりました。勇者様には1番弟子である剣聖と呼ばれているニーナを迎えに行かせました。数日以内にこちらに勇者様を連れて来るでしょう。そして先程少し姿を見せたイリスを呼び戻した所です。彼女には隣のサルトリーヌ国に向かって貰います。私の予知では数人がサルトリーヌ国に現れます。イリスとニーナは修行を終えて独り立ちしている弟子の中では、抜きん出た能力を持っています。ただ、2人共少し性格に難がありますが、悪い子ではありません。話しが逸れましたね。あなた達はここで暫く修行すると良いでしょう。部屋は男女別に1室ずつですが用意をしてありますし、食事に関しても心配無用です」


「何故ですか?有り難い事なのですが、良くして頂く理由がありません」


「見ての通りお金には不自由しておりません。金持ちの道楽、気紛れという事にしてはくれませんか?」


 私がジト目をすると、ため息をついたわ。


「ここでは身寄りのない子を引き取って育てております。修行をさせ、生き抜く力を与えております。これは恩返しなのです。かつての私もこの子達と同じで、師匠に育てられました。昔、育ててくれた恩を返したいと言った時に師匠にこう言われたのです。恩を私に返すのではなく、私があなたにしたように困っている者達に手を差し伸べ、立派な者に育てなさいと。それが恩返しだと。ですから気にしないでください。もしもそれでは気がおさまらないのでしたら、受けた恩は困っている誰かを救う事で返して下されば結構ですからね。それが何よりの恩返しですから。先ずは着替えてこの2人と服などを買いに行くのです。その格好だと目立ちますし、出来れば髪の毛を他の色に染めてください。黒目はどうにもなりませんが、髪は何とかなるでしょう。なにせ黒目黒髪はかなり目立ちますからね。そうそう、お金は2人に渡してありますから、男女で別れて買い物をしてくるのですよ」


 釈然としなかったけど、確かに制服だと目立つわよね。


 それと隷属紋を見て貰ったけど、これの主が信用出来る人ならば、解除しない事を勧められたの。上位の紋様なので、また首輪を着けられてもこの紋様は上書き出来ないから、他の者の奴隸にされる事を防ぐお守りになると。瑞希が信頼しているなら大丈夫かな?うん。


 それから今日は服とか下着、寝間着に軽装鎧?胸当て?靴なども買って貰ったの。本当に申し訳なくて、私・・・泣いちゃった。召喚されてからずっとオロオロしていて、今は流されるように買い物をしているのよね。


 それと買い物から戻ると能力測定をする事になったの。私も興味があるのよね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る