第4話 カメラを
兄貴がカメラを買った
お小遣いをためて
小学校の臨海学校に
持っていきたくて
五十年以上前
化石のような想い出
本当のバカチョンカメラ
それでも家にはカメラと呼ばれ代物はそれだけ……
写しまくり
父も母も私も
家の中
カラーテレビバックに
外で
公園のベンチで
母は気取って
足など組んで
遊んでいる私を呼び
ポーズさせる母
兄貴は
ニコニコ笑いながら
言われるまま
取り続けて
ある日アルバムの整理をして
気付く
兄貴がいない
兄貴が写っていない
やっと一枚
仲良し従兄弟三人で
変顔した兄貴がいた
私が取った奴だ
臨海学校に行く前に
取ったその写真で
一悶着
馬鹿な顔して取ったと父に怒られ
泣きながら謝る兄貴
私が取らなきゃ
こんな事にならなかった
兄貴はカメラを買った
自分の小遣いで
臨海学校に持っていきたくて
兄貴は臨海学校に行った
部屋にはカメラがポツンと
置いてきぼり
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