051 また教国

葉月「今日は、秋刀魚の味醂干しorめざしがメインですの! ほうれん草のお浸し! だし巻き玉子! 納豆に挑戦ですの! じゃがいも、大根、人参の根菜味噌汁ですの! 香の物はぬか漬けデビューですの! せ~の」


「「いただきます!」」


「めざしは頭からだよなぁ」


まりあ「カルシウムたっぷりですね」


聖「秋刀魚の味醂干しは、初めて~美味しいねぇ~」


「「ごまはさまるぅ~! つまようじ~!」」


葉月「後で、歯磨きしますの! 虫歯痛いですの!」


「だし巻き玉子って、巻き寿司作るあれで巻いて形整えるんだよね?」


葉月「そうですの! だから形が、綺麗になりますの!」


聖「そうなんだ! 腕だと思ってた! 私が作ると台形とか酷い時には三角ですよ! 焦げるし!」


紗々「焦げなくても巻きがほどけたりしますし(苦笑)」


「あるある、そうだ、セバスいる?」


セバス「なんだ朝っぱらから、酒か?」


「その酒の酒蔵の話やけど、近い内に北の森で造るからアルバトとセバスとテンシュさんが、メンバーか?」


セバス「エスはどうするかだな、公務が、無けりゃ良いが、まあ、拉致すりゃ良いか」


「じゃ、いつでも大丈夫やね」


セバス「ああ、大丈夫だが夜中とかは遠慮しろよ」


「了解、時間関係無く呼ぶよ、奥さんと一緒の時は遠慮するけどな」


セバス「要らん心配するな! 来年にはリリの弟か、妹を見せてやる!」


「そりゃぁ~良い! 祝いいっぱい出してやる! 覚悟しとけよ!」


セバス「それは怖いな······まぁ、良い、早くしろよ! テンシュなんか酒米入荷しだしてるぞ(笑)、麦は豊作だったから、既に大量にあるぜ」


「急ぐよ、それに米作りのおっちゃん達は?」


セバス「奴らなら既に作付けしてやがる、秋はギリ間に合わせると言ってやがったな、じゃがいもも作ってたがあれも酒の材料だろ?」


「じゃがいもはウォッカかな? アクアビット? まぁ、蒸留酒にするのかな。あんまり飲んだこと無いから解らんが」


セバス「火が着くぜとか抜かしてたぞ」


「アルコールが、めっちゃ強いんやね(苦笑)」


セバス「まあ良い仕事に戻るわ!」


「朝から済まんな」


セバス「おう!」


 消えた······早くはないのに執事の技やね。


三葉「で、教国からかの?」


「ん? そのつもり、その後はアキ連れて魔族の国かなダンジョンの国で、えぇぇ~! も良いよね獣人の国はさらっと流して(笑)」


葉月「じゃあ、ごちそうさまして出掛けますの!」


「皆は行けやんの?」


「魔族の国は何とかしたいですね! アキちゃんの為ですから!」


 パラミス達が、両拳を握りながら、ふんすっ! と気合いを入れている。


「解った、その時はよろしくね」


「では皆さん、せ~の」


「「ごちそうさま」」









「到着! 冒険者ギルドからかな」


葉月「ですの!」


 シュパッ! シュパッ!


三葉「葉月がやるのじゃな」


紗々「前回は私がやってしまいましたし(笑)」


まりあ「この次ぎ私もやってみたいです!」


「まりあちゃんは私と一緒でドジ踏みそう(笑)」


「「聖だけね(笑)」」


聖「はわっ! 良いもん! 獣人の国で良いからやらせてよ~」


「「えぇ~良いよ(笑)」」


聖「やったぁ~!」


三葉「妾はダンジョンの国をしたいのじゃ」


まりあ「私は残りの魔族の国ですね!」


「それで決まり、俺は最後の離島の国をやらせてもらうな」


「「は~い♪」」


「冒険者ギルドへ出発!」



 冒険者ギルドを、聞くため屋台にやって来た、屋台の向こうに冒険者ギルドが見えるのは気にしない!


 屋台のおっちゃんか、お姉さんに場所を聞かないと!


三葉「旦那様、屋台で冒険者ギルドの場所を聞きたいのは解るが······目の前じゃな」


「違う! あれは冒険者ギルド見えて市役所か何かだ! 中では住民票とか発行してもらうために長い列を作ってる筈だ!」


三葉「諦めるのじゃ、どこをどう見ても冒険者ギルドじゃ! ホレ行くぞ」


 俺は三葉に引きずられ、冒険者ギルドの入口をくぐった。


三葉「いつも通りじゃな、左側に行くぞ旦那様」


まりあ「何をそこまで屋台にこだわりを持っているのか(苦笑)」


 その間に葉月は先行して、壁に貼り付いた依頼を探そうと、果敢に人混みに潜っていく! 吐き出された······諦めずに再度挑戦!······吐き出されたが手には木札を、握っている、やり遂げた様だな、しかしorz状態だ。


 そばに寄り、葉月の握る木札を見る。


 ねずみ色ランク専用依頼

 ペットのスライム探し

 範囲 家屋内 期間一日 報酬 銅貨一枚


 俺は葉月の頭を撫でてあげた。


 なでなで


まりあ「あはは······スライムさんかぁ」


三葉「残念じゃが······」


聖「どんまい! 次があるよ~」


紗々「ふぅ、ありましたよ」


 紗々が探して来てしまった様だ······


 紗々から木札を、預かり


 シュ


 スライムの木札と入れ替え、スライムの木札は元に戻した。


 シュ


 葉月以外の皆が頷きあう。


 うんうん


「葉月、その依頼受けようか」


葉月「これで良いですの?」


「良いよ、見てごらん」


葉月「ふぇ? あっ! スライムさんがダンジョンさんに変わりましたの! やりましたの! この木札さんは偉い木札さんですの!」


 偉い木札さんて······


「よし、受け付けに行こう!」


「は~いですの♪」


 俺達は、受け付けカウンターの列、最後尾に並ぶ。


(朝はやっぱり混むのな、受け付け五人やし、おっ! カウンターの奥の壁に黒貨の額縁が飾ってあるが、鑑定! って偽物やん、ナビさんや黒貨は有るかいのぉ)


『ギルド内は無いですね、有るのは教国内で、ここの教会内だけですね』


(一応ポイントはしておいてね(苦笑)、葉月、聴いてた?)


葉月(聴いてましたの! "きゃ~ん" 言わせてやりますの!)


(皆もフォローするから頑張ってね)


(任せてくださいの! ひょえぇ~言わせてやりますの!)


 もうすぐ列の最前列だ、前回はここで来たが······三葉と葉月はうずうずしてるが来なかった、残念やったね。


 なでなで


 カウンターにつき足場の台を勝手に葉月が引き出して登る。受け付けのお姉さんは微笑んで見ている。


受付嬢「ありがとうございます。踏み台まだ出せてなかったので助かりました。本日は依頼の受け付けですか?」


葉月「はいですの! この偉い木札さんの依頼を、受けますの!」


 そう言って木札を、受け付けのお姉さんへ渡す。


受付嬢「はい確認しますねギルドプレート元にお願いしますね」


葉月「解りましたの!」


 シュパッ


葉月「どうぞですの!」


受付嬢「ありがとうございます。確認しますね」



受付嬢「ダンジョン攻略の依頼ですね、こちらはランク指定無しですので大丈夫です」


 それから葉月のギルドプレートを、魔道具に通す所で、止まった五秒、ギルド印を見つけ、ほっとした顔をしギルドプレートを魔道具へ通した。


 今の五秒は長い五秒だっただろう、受け付けのお姉さんにとっては(笑)


受付嬢「はい、偉い木札さんとギルドプレート、ダンジョンプレートです」


 子供に向けた対応やん! ちゃんと偉い木札と言うお姉さんは良い人やね!


葉月「ありがとですの! 報酬の黒貨はあれですの?」


 葉月が指差す、奥の壁に飾られた額縁。


受付嬢「そうよ、盗難防止の魔法が掛けられてるから安心してあそこに飾ってるの」


葉月「本物ですの!」


受付嬢「うふふ、スゴいでしょう、近くで見てもらいたいけど、カウンターの中は入れないから、ここからで我慢してね」


葉月「解りましたの! 攻略して来ますの! ダンジョンプレートはどこのダンジョンでも良いですの?」


受付嬢「この教国内ならどこでも大丈夫よ、それに新しいダンジョン見つけたら」


葉月「見つけたら?」


 首を傾げる葉月。


受付嬢「なんと! 黒貨が一枚貰えます! やったね!」


葉月「やりましたの! お金持ちですの! お菓子いっぱい買えますの!」


受付嬢「うふふ、頑張って下さいね」



葉月「頑張りますの! ありがとうございますですの!」


 その様子をギルド内の冒険者、職員達は暖かな目で見ていた。


 よしよし、注目は集めたな。


 俺達は冒険者ギルドを、出て路地裏へ入る。


(ナビ~表示お願いね)


ナビ『は~い』


(また地下かな? 兵士が見張ってるね、高そうな扉宝石だらけやしこれ金?)


ナビ『金箔ですね、宝石もガラスですよ、中々エコです』


(中は?)


ナビ『表示しますね~♪』


(オーソドックス、普通やね誰も居ないし、転移!)

 パッ


(ダンジョン内に十二名居るな)


葉月(邪魔ですの!)


紗々(透明ローブにしましょうか)


((賛成~))


 俺達は透明ローブを、羽織りとりあえず様子を見に行くことに。


「やってらんねぇよなあ、毎日ダンジョン、ダンジョンって休みくらいは与えろよ糞教会が! おらっ!」


 ゴブリンを鉈の様なもので倒す。


「こんな稼ぎの良いダンジョン隠してるなんざ、俺達盗賊と変わらんぞ! しゃあ!」


 ゴブリンを短剣で倒す。


「もう一組は後三年間で刑期終わるらしいな! おりゃ!」


 ゴブリンを手斧で倒す。


「糞が! なんでこんな所で、ゴブリンなんぞシバかにゃ行かんのだ! ラッシャアー!」


 ゴブリンを片手剣で倒す。


「腹へった~! よいしょ!」


 ゴブリンをハンマーで倒す。


「あっちの組は下っぱばかりだ、三年持つかよ! しっ!」


 ゴブリンを槍で倒す。


(犯罪奴隷みたいやね、隠すなら奴隷はやり易いよな)


三葉(じゃな、問題無さそうじゃし先に進むかの)


(そ~しますかね、Let's Go!)


((Go♪))




 ローブも脱ぎ、走る。


「あの盗賊達が言ってた通り結構良いものばかりやね」


紗々「聖剣がまた出ました!」


三葉「通話の魔道具じゃ!」


葉月「こっちは魔道書ですの!」


まりあ「封印出ましたよ」


聖「私は外れ~」



「素材が出だしたぞ! 小さいけどミスリル!」


紗々「スピードキャットの髭が出ました!」


三葉「ぬ! 翻訳薬の素材じゃったな、集めよ!」


「「は~い♪」」


紗々「ピンポン玉サイズのルビー出ました!」


葉月「スピードキャットの髭でましたの!」


聖「トラみたいなのが落とすみたい! 行くよ~」



「次のボスでお茶休憩にしよう!」


「「は~い♪」」


聖「スピードキャットの髭十本セットで出たよ~♪」


三葉「バスケットボールサイズのダイアモンド! でかすぎなのじゃ!」


葉月「オークエンペラーの極上肉ですの! 狩りですの!」


「「は~い♪」」


「オークエンペラーのモンスターハウスたま! 大漁ですよ~♪ 採取しましょう!」


「「は~い♪」」



「お疲れ様!」


葉月「ジュース出しますの! テーブルと椅子をお願いしますの!」


「は~い! ほいっと!」


聖「あっ! クッキー美味しい~」


「ここのダンジョンホントに効率良いよな、公開して入場料ちょっと貰うだけでも相当な上がりになると思うんやけど」


三葉「じゃな、銅貨五枚、五百プルで十分稼げるぞ」


「管理する事も要らないしな、ギルドが勝手に管理してくれるし、黒貨は払わなくて良いし、ってか払う気無いか」


まりあ「偽物流行ってる?」


聖「あそこでイミテーションですよ、とか言ってくれればねぇ」


葉月「まだ可愛げがありますの! 中がチョコならさらに良いですの!」


「駄菓子であったなぁ、そだ、ナビ後何階層?」


ナビ『いつ聴いてくれるか待ってましたのに、現在千七百九十階層次が水晶玉の部屋です、皆さん呼ばれるの待ってますよ』


「「マジ?」」


ナビ『マジです』


「ごめん!転移!」

 パッ


「ごめん、着いてたのに気が付いて無かった······」


「「ごめんなさい」」


「「は~い、良いですよ」」


「マジでごめんな、次がアキやけど魔族の国や無くてええの?」


アキ「ええで、ここは教国に "きゃ~ん" 言わすとこやし満足や(笑)」


「そっか、行くよ!」


 扉を開け水晶玉の部屋へ入りアキが水晶玉にペト


『素体情報確認しました』


『お名前を』


「アキ!」


『登録 マスターアキご用命を』


「他のダンジョンとリンクして」


『他のダンジョンマスターを確認 リンクしました』


 魔力供給!

 むむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ~!


『Lv MAX14』


「この教国全域に範囲結界でこのダンジョンは教会関係者は入っても排除やいけるか?」


『教国全域範囲結界展開 完了 ダンジョン内教会関係者排除 完了』


アキ「こんだけでええの?」


「問題無いな、まだ移動中やんな! 急がんと!」


アキ「シンディちゃん頼むで!」


シンディ「ではお先に、転移!」

 パッ


パラミス「私達もセバスさんの目の前で消えたので(笑)」


「了解! 転移!」

 パッ


「ナビごめんね」


「「ごめんなさい」」


ナビ『大丈夫ですよ、さあ、お楽しみでしょ(笑)』


葉月「そうですの! 行きますの!」


「路地裏はよしよし、転移!」

 パッ


「よし屋台で」


三葉「旦那様、諦めるのじゃ」


 三葉に引きずられ冒険者ギルドの入口を、本日二度目をくぐった。


 まだ午前中の為、受け付けにも数組並んでいる。


 だが、受け付けは五人のままなので、次々と前が減っていく。


 順調に俺達の番が来たが朝のお姉さんとは違うお姉さんになりそうな所で、朝のお姉さんが空いた!俺達と後ろのパーティーが動きだし、俺達は朝のお姉さんにたどり着いた。


葉月「依頼の報告に来ましたの!」


 葉月が元気に木札を、お姉さんに手渡す、カウンターの奥の職員さん達は、暖かい目で俺達の事を見ている。


お姉さん「はい、お預かりしますね。ギルドプレートとダンジョンプレートをお願いしますね」


葉月「は~いですの!」


 シュパッ


 まずはギルドプレートから、お姉さんは受け取り魔道具に通す。


 こちらに向いた瞬間に


 シュパッ


 ダンジョンプレートをお姉さんに渡した。


 ニコニコしながら魔道具に通す。


 確認せず通した!


お姉さん「はい攻略完了ですね!」


 そう言ってからお姉さんは固まった。


葉月「やりましたの! 頑張りましたの!」


 カウンターの奥は春のような暖かさだ。


 だがそこに、春雷が鳴り響く!


お姉さん「攻略ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~!」


 来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!×6


お姉さん「な、何で朝受けた依頼が今完了してるの! それにこれ新規のダンジョン! 新ダンジョン発見! 千七百九十一階層完全攻略!」


 そこへハゲたぷよぷよ脂ギッシュなオッサンが、ドタドタと走り? 走ってる筈、がこっちへ向かってくる。


オッサン「新ダンジョン発見とダンジョン攻略! 本当か!」


「ギルドマスター! 間違いありません! 攻略完了と表示されてます! 場所を表示します!」


 お姉さんがダンジョンプレートヲチ魔道具へ通す。


 ここも天井なんや。


 教国の地図の一点が光る。


 冒険者達が騒ぎだした。


「新ダンジョンだ! 場所は!」


「おい! この街だぞ! 近い!」


「近場! 良いじゃねえか! 寝坊しても近けりゃ大丈夫だぜ!」


 それは起きる時間が遅くなるパターンですよ(笑)


「ん? そこって教会本部じゃない?」


「マジだ! 本部のど真ん中じゃねえか!」


「どう言う事!」


 俺は、教えるよねぇ~♪


「そうだよ、教会の秘密の地下から入れるけど、門番居たから中々入るのは苦労するよ(笑)」


「なっ! 教会が隠してやがったのか!」


「そういや、他の大陸の教会でもあったらしいって速報で掲示板に貼ってあったぞ」


「あっ! すぐギルマスが剥がしてた奴な、ギルマスもグルか!」


「こいつ教会からの派遣じゃねえの? ぶくぶく太ってるしよ~」


「お姉さん報酬は?」


お姉さん「ああ、そ、そうね、すぐ持ってくるわ」


 お姉さんは立ち上がり、小走りに奥の壁へ、そして額縁をはずし、一人では持てない為、同僚に応援を頼んで二人で持ってきてくれた。


お姉さん「はい、報酬になります」


葉月「ん? お姉さんこれ偽物ですの! 鉄を黒く塗ってるだけですの!」


 葉月は、小さなナイフをポシェットから取り出し、額縁のガラスの上から十一回滑らせた。


 シュ


 ガラスに線が入り、葉月が言う。


葉月「鑑定してくださいの! 偽物ですの!」


お姉さん「え? か、鑑定! 嘘っ! さっきまで黒貨ってでてたのに!」


葉月「偽装の魔法がかかってましたの! ちゃんと見たら解りますの!」


お姉さん「じゃあ、報酬は······ギルドマスター! 大変です黒貨が偽物です! すぐに手配を!」


ギルマス「な、なぜバレた! はっ!」


 白状したね、収納!


 ((あはは♪))


葉月「嘘つきですの! 報酬下さいですの! ギルドマスターが、偽物の事を知ってたから本物が有るところを知ってる筈ですの!」


お姉さん「ギルドマスター! 本物はどこですか!」


「いやっ、それはだな、教会が持ってる筈だ! 始めから偽物を置くように言ったのも教会だ! 俺は飾っただけだ!」


「じゃあ、最初からバレない筈の黒貨渡して終わり? バカにされてるなぁ、冒険者が教会からバカにされてるぞ! ギルドマスターまで一緒になって俺達を!」


ギルマス「待て! 俺は金を貰って仕方なく」


「こいつ金で俺達を売りやがった!」


「捕まえろ! 衛兵を呼んで、教会にのりこむぞ!」


(ナビ?)


『とりあえずお宝セットしますね、教会も全大陸にポイントします、気絶しますから皆さんお願いしますね、勝手に収納!』


(おい! まってって······)


 あの後、ギルドマスターは拘束され、衛兵に引き渡された、教会からも使者が来て、ゴタゴタしたらしいが、聖達が腹パンで気絶させ、衛兵さんが大量に冒険者ギルドに押し掛ける騒ぎになる、騎士も参入し教会関係者の大捕物になり、冒険者達は、誰も居なくなった教会の、秘密のダンジョンを探しだし、夕方だと言うのに冒険者ギルドは閑散としていた様だ、そこへお城からの使者が来て、王がどうしても会いたいとの事で応接室まで通され今だが、起きたところだが······。


「お腹空いたんだけど」


 また、お茶も茶菓子も出ない。


三葉「前と同じパターンじゃな」


まりあ「それも扉に開閉不可とかなってますね」


紗々「ナビさんには、お城とこの国の貴族のお宝セットして貰ってます」


ナビ『勇大様、先程はごめんなさい、教国全域の教会の筈が間違えて、使う魔力が多すぎるなぁと思ったら全域の教会を指定しちゃいました全大陸でしたごめんなさい』


「ナビも間違えることがあるんや、良いよ、でここに入ってから誰か来たの?」


紗々「誰も来てないですし、お腹空いたから、転移でまりあちゃんが屋台に買い物行ったくらい、誰も来ませんね」


「とりま、収納!」


紗々「扉まで魔道具だからですね」


 少しぐらっと来る、地震?


ナビ『お城崩れますね、色んな所が魔道具で補強されていた様です』


「お城も収納!」


 俺達は地下に居たようだが中庭の様な所へ転移


「おっ、中々綺麗な庭やね、お昼ごはんにしようか!」


三葉「くっくっくっ、この状況でのぉ」


 そう言いながらテーブルセットを出す三葉。


葉月「鰻丼出しますの!」


 葉月は追加で買ってあった鰻丼を、テーブルへ並べ皆が席に着き。


葉月「お昼ごはんは鰻丼ですの! せ~の」


「「いただきます♪」


「しかし、何がしたいんやろね」


紗々「解りませんね、普通にしてくれればこんな事にもなりませんのに」


聖「上から押さえて、良い様にしたかったんじゃない~」


三葉「力もない者が、上からなぞ出来るわけが無かろう」


まりあ「王さんだし、できると思っちゃったのですね、バカですね」


葉月「大バカさんですの! どうしても会いたいならお茶とお茶菓子出すものですの! そもそも会いたいなら会いに来るのが常識ですの! 引っ張ってきて自分の都合の良い時間まで閉じ込めてなんてダメダメですの!」


「まぁ、この国の貴族のと王族達は破産したし、武器も防具も魔道具も無いから苦労しろってなもんやね」


葉月「あっ! すまし汁有りましたの! どうぞですの!」


まりあ「あっ! 優しい味が甘くなった口の中をリセットしてくれますね」


三葉「そうじゃな、飲んだ後にまた1口食べるとこれまた鰻の味が引き立つのぉ」


聖「これ鰻丼にかけたら絶対美味しい奴だ!」


「ひつまぶしやね、名古屋で食べた、お出汁と山葵で最高やった」


紗々「最後にやってみますね·······っ! 美味しい!」


まりあ「あっ! 私食べきってた······」


聖「まりあちゃん1口分けてあげるね~」


まりあ「聖ちゃんありがと~! ほんとだ! 美味しいぃ~!」


三葉「うむ、絶品じゃな」


「腹八分目ってとこやね、せ~の」


「ごちそうさま(ですの)!」×6


 俺達の回りには、木の棒や箒など、棒状態の物を持った者達が取り囲んでいる。


「人がごはんは食べてる最中に裸で囲うってなに?」


王「貴様ら何者だ!」


「あんたらが俺らを連れてきたんやろ? 糞王が会いたいからとか抜かして、招待しておきながらお茶も茶菓子も無し、挙げ句にお昼も回ったのにご飯も出ないってなに?」


王「貴様らが教会のダンジョンを暴いた奴らか!」


「隠さないで公開してたら教会も潰れずに残ったかもなぁ、もっと裕福な国になってたのに、糞王のせいで生活してるこの国の住民は可哀相やね、そこのぶくぶく太って首が見えないおっさんもそう思うやろ?」


王「民などいくらでもわいて来よるわ! ワシは太っておらん」


「虫やら糞王ならいくらでもわくやろね、いやいやそこまで肥太る奴も中々いやんで、糞王ってか王、要らんな、糞やな」


王「ぐぬぬぬっ! 言わせておけば不敬罪だ! 即刻その者達に、刑を執行するのだ!」


「あぁ~あんたが糞やったか(笑)、転移!」

 パッ


 糞だけ転移させた。


「で、話し出来る奴はいやんの?」


「私で良ければ」


「あの糞に賛同して行動してた奴らばっかりか?」


「兵や貴族は」


「はぁ、最悪な国やね、転移!」

 パッ


「後は大丈夫」


「いえ私も国中の貴族、兵も」


「まとめる奴はいないの?」


「あそこで服を着ている方なら幽閉された前国王です」


(ナビこの国の貴族、兵をポイント、帝国の端にやるから)


『は~い』


「じゃあね、転移!」

 パッ


 残りのメイドさんとか集めるよ、転移!

 パッ


「王命である! 俺が使った魔法についていかなる方法を用いても他者に伝える事を禁止する! 永続である!」


先王「ぬ! 王命が使えるか、お主は王か?」


「違うよ、冒険者ねずみ色ランクで、鍛冶士だ」


先王「ふむ、何を望む」


「仲間達と、面白可笑しく日々過ごしたいかな」


先王「善き望みだ、して、ワシに何を望む」


「良い住民が居るんだ、良い王は要るだろ(笑)」


先王「年寄りに難しい事を、まあ良い久しぶりに日を見た、しばらく足掻いてみようぞ」


「はは、じゃあこれやるよ、ほいっと!」


 アイテムボックスへ、色々貰ったのを入れといた。


「悪さしてたらシバきに来るからな」


先王「っ! お主、肝に銘じ」


「たまに来るかもやから美味いのあったら食わせてくれよ、じゃ、転移!」

 パッ

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