第40話 勇者たちの会合 思ってたのと違う
門前ではボロボロのディアが足止めをしてくれていた。
エラルドに関しては焦りと緊張感の元、足止め作戦を行なっていた。
結果としては上々で、途中からナタリア、ブラス、アインがサポートに。
エインがディアの元へ加勢し、脳筋リックスの攻撃を全て受け止めて無傷であったそうだ。
なんだってそんな隠された力が。と思ったが後回し後回し。
ただ、気掛かりなのはアーシャ義母上だ。
どうも初めから手加減されている。
エラルドとナタリア、ブラス、アインで対応できた。
予想では崩れるなと思ったが、一体何を考えていたのやら。
「みんな無事でよかったよ。アルケミー。
回復を頼むよ。俺も手伝うからさ。」
「あいあいボス。
けど、あなたは休んでなさいな。
なんやかんや、2回戦ってるんだからね。」
「な、なんですと!」
余計な事を言ったせいか、門前の奴らに詰め寄られた。面倒い。
それから何とか事なき事を終えたが折角の新居がボロボロだ。
何ですかこれ?イジメか?
ただ暴れに来ただけかよ。アイツら。
「下の階はダメだ。
上の階かな、暫くのギルド運営は。」
「うむ。そうなるな若よ。
むしろ、あの女が手加減したからこれで済んだがな。」
「そうね。あの女性の中の巨大な力が恐ろしいわ。
私の精霊たちも警報を鳴らすばかりだったわよ。」
ナタリアの精霊って事は上位存在の確認か。
我が家は人災が多い事で。
「ともかく皆んな。お疲れ様。ありがとう。」
「お礼など、私たちは同じく仲間であり、家族ですがゆえ。
主人様はお気になさらずとも良いのです。」
忍者のブラスくん。今回も働き者だった。
スッとアインが横から情報があるとのこと。
「お父様。騎士たちを闇討ちしている際、相手方が油断していたのか、こんな会話を聞きました。
『勇者会議と世界会議前にここへいるって・・』と。」
「予想してたが、厄介にだな。
アインは情報獲得のために動くべきと言うことか。」
「はい。差し出がましいようで申し訳ありません。」
「そんな事はない。
言ってくれて感謝してる。
後は、王城や冒険者組合を通した護衛依頼とかで中に入ってみるか。
まだ皆んな傷が癒えてないのにすまない。」
シアがいの1番にこう答えた。
「主様。我々はあなた様にすり潰されるお覚悟の元、こちらへおります。
もっと我々をお使いなさって下さい。」
「そんなになるまではやだ。
けど、遠慮なく頼らせてもらうよ。
俺1人は明らかに無理だし。」
「仰せのままに旦那様。あなた様の妻である私も動きましょう。」
あ、やめて!そのいかにも勝ち誇った感じ。
これ以上刺激したらあかんよ。
「黒豆の分際で、私のキャスト様を誘惑するとは身の程を知れ。」
「
なら、余計に危険だから旦那様へ近づくな。」
「お前らが近づくな。呪物共が。
呪われてしまう。とっととあっちに行け。」
「主人殿。争ってる奴ら無視して、一緒にご飯食べよう。」
センキはマイペースにお誘いしてくれる。
まぁ、断わりません。
「「「なっ!」」」
夕食を取る事になったが、最初から最後までわちゃわちゃしていた。
そして、夜になり。
「はぁ〜。今日は何か疲労感というか、精神的に疲れたな。
気を振り絞り過ぎたか。
完成度は徐々に上がってるが・・。」
コンコンとノック音がした。
貴族ではないから、それだけでいいと言っといた。
「失礼します。旦那様。
夜分遅くに申し訳ありません。」
「何でその服なん?」
なんか色々と薄着なんですが。
中世系だから、寝る前は皆んなこうなのか。
「横に失礼します。」
ベッドに座っていたら隣にきた。
なんか、色気が凄い。ワレ制御デキルカ?
「この度は遅れてしまい申し訳ありません。」
「えっ?いや、んん。大丈夫だ。問題ない。」
「それで償いをと思い、今日はここまで来ました。よろしいですか?」
「1番いいのを頼む。(何言ってんの?)」
あ、本音と建前が逆に。
「フフ。焦ってます?かわいいですね。
私の旦那様。」
俺は何も抵抗できずに押し倒された。
男子の夢でもある、お姉さんに押し倒されるという素晴らしい現象だ。
「おい!貴様!義父様に認められたからって、私が認める訳が無いだろうが!」
あれ?シアにロキ、センキまで居るし、うーんん?なんか多くね。全員薄着やし。
「抜け駆け。ダメだぞ。今日の功労者だ。」
「それは私のことだな。キャスト様のお守りだけではなく、貴様の尻拭いをした訳だからな。」
「私はその前からお守りしていた。
他の襲撃の際もしっかりと護衛させていただいたのだ。
いい加減、砂女にマウントを取られるのはイラつく。」
本音出てんよ。シアさん。
これはやばい。
しかも、もう逃げられないし気力も弱ってる。
『気活極』の代償がヤバい。
「ここで争うのか?バカだろ。
旦那様に決めてもらえば良いではないか。」
ミアよ。何でポンコツ発動するの?
「なるほどな。ならばそうしよう。
アルケミーから活性剤等も拝借してきたからな。」
ロキさんやい。何回戦するの?
「不本意だが交代制だぞ!いいな!」
シアさんは僕への気遣い抜けてない?
自分のことで頭いっぱいだ。
その日の夜は皆んなを相手にしたため、俺だけ忙しかった。
この年齢でこれだけのハーレムを満足させるために動くって、普通じゃなくない?
枯れ死ぬわ。
あっ。アルケミーの薬がよく沁みるわ。
朝方になり。ベッドで目が覚めた。
俺のところにシア、ミア、ロキ、センキとピッタリと裸同士でくっついている。
いかん。興奮してきた。
それに、全員がくっついているから身動きが取れない。
「ん。おはようございます。主様。」
「お、おはよう。シア。」
「昨晩はあんなに激しくお楽しみでしたので。つい。」
余計なこと言わないでくれますか?
本能が止まらなくなりそうです。
「む。まだ。興奮してる。」
センキさんはそういうの敏感なんですか?
起きてるし。
俺も色んな意味で起きてしまった。
「では、朝から続きをしましょう。キャスト様。」
そのロキの一言のせいで、再びレッツパーリーしてしまった。
一階のボロボロのフロアにて
もうお昼過ぎやないか。
ハッスルしすぎたせいで、俺は昨日の戦闘の倍疲れている。
「お、親父。大丈夫か?」
「エインか。大丈夫に見えるか?」
「男の人は普通喜ぶって聞いたけど、親父の場合は過労死しなければいいな。」
確かに。
普通、異世界転生からハーレム。
そして、夜のムフフを楽しめるのは最高だ。
しかし、ウチのハーレムは全員強すぎお姉さんなのだ。
俺が狩られる側になってしまっている。嬉しいが。
「エインの言う通りだ。気をつけるか。」
「キャスト様。おはようございます。
アリシア様とはお楽しみでしたね。
今夜は私をお願い致します。」
何で気をつけると言った矢先にそうくるのよ。
しかし断れないのだ。
欲望もそうだが、本人が功労者として褒美をねだるのだ。
これは結果を残したものの特権だ。
それに応えるのが、俺という名の上司だ。
くそっ。1夜を共に寝ることがこんなにも過酷だったとは。っく!殺せ!
「あ、あ、ああ。分かったよ。待ってます・・。」
凄くテンション高めのディアはお礼後にそのまま立ち去っていった。
なお、俺はテンションダダ下がり。
「今日は勇者会議に潜入だからな。
アイツら大丈夫か?昨日の今日であんなに動いて。
人の事ある意味言えない気がする。」
とりあえず移動するか。俺にできる事は無いし。
今日はゆっくり休んで、冒険者家業も再開しますか。
まだ、Fランクのゴブリン退治だけだし。
「旦那様。こちらへいらしていたのですね。」
ミアが向かってきた。
どうしてだろうか、いつもよりお肌の調子がいいのか、美しい褐色肌が綺麗にテカってるように見える。
「?ああ。旦那様が激しかったお陰です。」
「そ、それは良かったよ・・」
そんなやりとりを俺はテンション下げがならしていた。
勇者会議
「勇者諸君。よく集まってくれた。
これから会議を行う。
それぞれが議題と成長過程や情報のやり取りをしてもらいたい。
理由は魔王と幹部が動き出していることもあり、他の敵勢力も怪しいとの事だ。」
円卓のような丸いテーブルに、それぞれが向かい合って座っている。
皆若き少年と少女だった。
皇国 風の勇者タケル イシダと風の魔導師ナナカザマ
聖王国 光の勇者ユウキ イザワと光の魔導師カナエ ミサワ
帝国 水の勇者アセイ ミズタニと水の魔導士セシリア・マークリン
王国 土の勇者ジョン・マーキンと土の魔導士オリビア・トムソン
法国 雷の勇者マイ キリシマと雷の魔導士メイ キリシマ
龍国 炎の勇者マナミ アクツと炎の魔導士バナード・マクエスト
魔道国 闇の勇者ヒロシ ワカミヤと闇の魔導士ソフィア・キーン
それぞれの出自や出身は違うが、中でも日本人が多い。
この若者たちの会議は世界的に注目されている。
「というわけで、アタイはマナミってんだ。夜露四苦。」
ステゴロヤンキーみたいなことを言うのが、金髪の褐色肌で炎拳の勇者と言われている。マナミだ。
「今言いてえ事はとりあえず、鬼族の一味を締め上げる事はできたが。
まだまだ幹部やら強い奴らがウヨウヨしてるわけだ。
なんか情報が有ればほしいぜ。」
「血の気が多いのね。龍国の勇者は。」
「なんだと?」
「いちいち突っかからないで下さい。」
そう冷たく言い放ったのは、法国の勇者で姉のマイだ。
珍しく、2人姉妹で召喚された勇者たちだ。
黒髪に清楚な佇まいをしている。
「こちらは特に動きはありません。
なんと言っても我ら法国は鉄壁の要塞なので。
こちらから打って出るような事はしないかと。
なるべく、ダンジョンやらで動いたけど大きな進展は無しです。」
「なるほど。
マイさんがそう言うならそうか。」
そして馴れ馴れしく話すのが聖王国の勇者のユウキだ。
「ユウキはどうだったよ?」
皇国のタケルが聞いた。
「うん。とりあえず、魔族の侵攻以外は大きな事は無いかな。
個人的にあったけど・・」
「ああ、聞いた聞いた!
何でも、好きな女に振られただけでなく、仲間諸共ボコボコにされたんだってな?」
楽しそうに聞いてくる人物がアセイだ。
黒髪に悪質そうな顔つきの少年だ。
「!悪かったな。」
「いやいや、勇者の面子は大事だかね。
沢山の女を囲ってる奴が、他所の女に尻尾を振った挙句の果てにとは。笑えるだろ。」
「相変わらず、挑発が好きだな。お主ら。」
闇の勇者のヒロシが口を開いた。
唯一、鎧を全身で纏っている。
身長が高く、声が渋い。
「確かに、そんなくだらない話をしにきた訳ではありませんね。」
土の勇者ジョンも賛成した。金髪イケメンのアメリカ出身だ。
「今は勇者を倒した者を保留として、必要なやりとりをしていきましょう。
我ら王国は少しでも早く、平和のために努力するつもりなので。」
護衛として派遣されたシェリオはその殺伐としながらも、下らない内容を含め、一部始終を余す事なく頭に記録していた。
ブラスやアインも潜入で動いているが、何がキッカケで勇者が勘付くか分からないため、シェリオが抜擢された。
確かに聞き逃せない内容は多かったが、まだ隠している。
深入りは危険である。
会議が終わり勇者たちは立ち去っていた。
しかし、法国の勇者のマイ キリシマがシェリオへ接触し、耳元で小声で話してきた。
「あなた。どこかの間者かしら。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます