第19話 魔厄の森 6 光のある場所へ

 早速例のアレ、一丁いっときますか。

 アレってなんやねんってか?アレってのはアレよ。『完全完治気』のこと。


 シアに施してから使用を止めていた。

 マジで精神・肉体の疲労感が半端ないのよ。


 今回は12人治療するので、今の実力なら恐らく、倒れはしないがかなり弱体化する。

 なので、その後はお姉様方に尽くして貰うことにしよう。


「んじゃ、並んで〜。

 並べない人はそのまま横にしてもらっていい?」 


「かしこまりました。主様。」


「かしこまりました。旦那様。」


 ミアとシアが行動してくれた。


「??何をするんだ?これから。」


 エラルドはハテナを飛ばしている。


「これから禁じての回復を行うのだ。

 もっとも、それをするとマジでキツくなる。

 弱体化もするし、そんなとこを襲われたらやばいです。」


「そんなに弱る技なのか。

 いや確かに、この状態の奴らを回復させるとは正気ではできないな。

 なら、もしもの時は私が若を守ろう。」


 誰が異常者や。ありがとう。


 怪我や病気などを背負った奴隷たちが、ザワザワしていた。


 ザワザワザワザワザワザワ


「時間もないからね。やりますか!」


 まず1人目のリタに気を集中させますンゴ。

 リタの気も同時に呼び起こして、回復作業を手伝ってもらう。


 前回のように、一方的に垂れ流しにせず、ゆっくりと丁寧に流し込む。

 相手の気も活性化させ、壊死した細胞の復活や細胞による回復作業を手伝わせる。


 早速、リタの腕が生えてきた。

 両方とも一気にとは早いね。景気が良い。

 他の外傷も治したら次やな。


 こうして、回復作業を淡々と進ませていっ・・た・・・




 回復を全て終えた後


 僕は眠いというか、今でも目を閉じたら夢の国に導かれる。


 その前に説明していこうか。

 肝心の仲間たちはお食事中なり。


 まず、ドワーフのリタは背はそんなに高くないけど(150cmぐらい)、年齢的にお姉さんの年頃らしい。

 詳しく聞くとミンチにされるので遠慮した。

 胸もしっかりとでており、茶色い髪のツインテールだ。


 次の2人は獣人姉弟のアインとエインだ。

 アインが姉で年齢は8歳と犬種なのか、銀髪ショートヘアーに耳が垂れている。


 エインは弟で7歳と1歳違いだった。銀髪ツンツンに耳がピンって立ってる。

 この2人は呪いにかかっていた。


 弱体化や獣人の能力封印だ。解呪したら、結構強いオーラを秘めていた。


 4人目はナタリアさんだ。

 スタイルはスレンダータイプだ。胸は無いわけではないが、大きい訳ではない。

 綺麗で尖った耳に金髪のサラサラロングヘア。

 年齢は突っ込まない。


 5人目はグラディエで、こっちは美男子だ。

 ちくしょう。治したの俺なのに・・

 身体は細マッチョで、肌白く綺麗だ。

 髪は茶髪のくせっ毛ボサボサヘアーだ。


 6人目のセンキは、2つの角が頭についており、魔力や力などがピリピリと伝わる。

 そして、顔や身体の一部にはタトゥーが入っている。秘密は知らないが。

 髪色は赤色のショート分け目ヘアーだ。

 スタイル抜群の大きなスイカを胸に秘めているっ!!


 7人目はハイネだが、こっちは怪我をしてる訳でないので、魔力が使えるように秘孔をついてやった。

 多すぎて逆に詰まっていた。


 普通の人たちには見抜けないだろうな。

 俺でなければ見逃してたね。(天丼)


 スタイルは当然良く。

 エルフなのに胸がある。これ重要だよ。

 金髪の短めに外ハネだ。


 8人目はアルケミーだ。

 スタイル良く、胸はノーコメント。

 髪色は茶色のベリーショートヘアーだ。


 治った瞬間に、これからの薬剤師人生に興奮していた。

 マッドな雰囲気を感じた。


 9人目はシェリオだ。

 砂国出身なのか、褐色肌で髪の毛も黒くサラサラショートと珍しい。

 細マッチョイケメンを惹きつける力とかあった?俺?

 あ、目が見えるようにしたよ。


 10人目はヘルガーだ。

 こちらはスタイル抜群の胸は空母球だ。

 つまり、大きい。ミアといい勝負だ。

 肌は褐色である。

 髪はミディアムのかきあげで、髪色はツートンカラーの銀と黒だ。


 本人からは力強さと歴戦の雰囲気を感じた。


 11人目はハッキリ言って、俺が治す範疇を超えていたので、『ヒソプ』をアルケミーに回復薬として作らせて使った。


 結果、効果は抜群でした。


 その男性は男前です。

 顔の頬には古傷がある。

 しかし、石化だけだったので大きな外傷はない。


 男の名はブラスという。

 サイハデス流の頭領とか。

 暗殺術とか知らんがな。

 髪の毛はありません。


 最後が1番に力を使った、シアの腹心クラウディアである。


 髪色はピンクで髪型がセミロングである。

 無くなっていたお胸はシアと同じメロン級が出ていた。スタイルは当然抜群だ。

 背中に龍のタトゥーがある。


 以上である。おやすみなさい。

 一旦、夢の国に遊びに行ってくる。




 キャスト就寝中


 アリシアが演説をしている。


「皆よ。聞くがいい。

 あのお方が我等をお救い下さった、神キャスト様である。

 かのお方はスキルや魔力は無いが、あの方にしかないお力をお持ちだ。

 決して、そこを間違えるで無いぞ!」


 「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」


 全員がキャストに跪いて返事をしていた。

 本来ならツッコミがあるが、ガチ寝している。


「アリシア様。ここまで導いて下さり、ありがとうございます。」


 クラウディアは久々に会った上司に感謝を述べていた。、


「気にするな。

 我等は神に導かれるべくして、導かれた同志だ。

 苦難こそあったが、こうして会えたのだ。

 これからはその感動に、感謝と祈りを捧げよう。」


「かしこまりました!」


 お互いに涙を流し、寝てるキャストに祈りを捧げていた。

 寝ていることに好き放題周りでやられている。


「はあ。バカが2人になったか。」


 ボソッとミレルミアは呆れていた。


「ミレルミア様。私たちと相対しているエルフを助けて下さった事、感謝しています。」


 ナタリアとハイネがお礼を申し出た。


「気にするな。使えるから連れてきたんだ。

 私個人の事など、どうでもいい。

 それに、私は一族に追放されている。」


「それは大変失礼なことを。申し訳ありません。」


「同じご主人様に使える身です。

 これから、よろしくお願いします。」


「ああ、よろしく。」


「ところで、ご主人様に添い寝をしてもよろしいですか?

 私魔力は多いので、魔法で快適な空間を作りたいのですが。」


「ふざけるな。早々に喧嘩を売ってきたな。」


 ハイネとミレルミアが睨み合っている。


「はいはい。私もご主人様を抱きしめたいけど、今は待って。」


 ナタリアが本音を出しつつ、2人を止めた。


「貴様もか!分かりきってはいたが・・。」


 ミレルミアはなんとも言えない歯痒さがあった。

 その光景をエラルドは他所に。


「君たちは何か異常はないかい?

 私でよければ対応しよう。」


「あ、あの、あの、エラルド様!

 あのキャスト様をお父様とお呼びしてもいいですか!?」


 獣人のアインが聞いていた。エインも。


「ああそうだ!俺も親父って呼びたい。

 なんか優しくて、暖かさを感じた!」


「(あの歳で父親と同じとか。若が聞いたら落ち込むな。)

 そうだな。あれは年齢詐欺みたいなやつだ。

 遠慮なくそう呼んであげなさい。」


 エラルドは意地の悪い返答していた。


「エラルド殿。貴殿たちのお陰で、仕えるべき本当の主様に出会えた。

 この事に深く感謝お詫び申し上げたい。」


「私は特にですが、本人が起きたらお礼を言うといいでしょう。」


 ブラスに語った。


「私もそうさせていただきたい。

 国に裏切られ、絶望がしていたが、再び忠誠の心を奮い立たせてくれた。」


 シェリオも続いた。


「エラルドよ。

 このヘルガーはご主人様の1番の側近となる。

 貴様たちには感謝はするが。

 勘違いするなよ。私にとって、お前たちは潜在的な敵だ。」


 威圧感を放つヘルガーであった。


「(感謝なら威圧しないでくれと言いたいが、元気があってよろしい。)」


 エラルドは心でほほ笑んでいた。

 ヘルガーはそのままキャストの側に行き、近くで見守っている。


「アイツ感じ悪くない?

 なんなのよもう、みんな同じなのに。」


 アルケミーが愚痴っていた。


「よせ。気持ちは分かる。

 だが、お救い下さったご主人様の1番は私も譲るつもりはない。」


 強い瞳で決意をしたセンキだ。


「これから大変そうですね。うちの大将は。」


 微笑みながら話すグラディエだ。


「全くそうだな。連れて来るようにしたのはこっちだが。はあ。」


「気苦労が絶えませんね。」


 グラディエとエラルドは同じ苦労仲間である。


「アリシア様。お祈り中に申し訳ありません。

 私もご主人様にお祈りをしてもよろしいですか?」


 リタがアリシアを訪ねていた。


「ええ。構いませんよ。

 同志です。遠慮なさらずに。」


「クラウディアと言う。

 これから神に仕える同志だ。よろしく頼む。」


「・・ええ。お姉さんはリタって言うの。よろしくね。

 私もご主人様のために何か特別な物をお造りしたいの。」


 3人で寝ているキャストにお祈りをしていた。


 暫くして、横から入ったヘルガーと乱闘騒ぎになりかけていた。


「ほう。貴様は使えると思って、ここまで連れてきたんだぞ。

 そんな恩人に宣戦布告とはいい度胸だ。」


「知らんな。堕ちた英雄アリシア。

 貴様が何を思ってるかは知らん。

 ここまで来させてもらった事には感謝はする。

 だが、馴れ合うつもりは毛頭ない!

 私がご主人様の1番となる。邪魔をするな。」


「いいでしょう。殺して差し上げますよ。」


「おいお前、助けてもらった身分で調子のいいことに。

 アリシア様が1番の側近であり、私がその次になるのだ。大人しく3番目にでもいろ。」


「ちょっ!クラウディア!

 なんで挑発するのー!」


「ほう。威勢の良い猿だな。よく吠えるな。」


「やめんか!!」


 殺気に気づいたミレルミアが来た。


「旦那様の就寝中に何してるんだ!

 外でやれ!」


「外ならいいんだ。」


 ボソッとリタが呟く。


「おい呪物。こいつは本当に必要なのか?

 こんな生意気な女など国に送り返して、再び拷問を受けさせるべきだろう。」


「フン。弱い犬ほどよく吠える。」


「はいはい。ストップストップ。」


 エルフお姉さんのナタリアが止めに入った。


「みんながご主人様を愛してるのは分かったから、起きるまでは何もしないの。

 助けてくれたのに、また疲れさせちゃうわよ。」


「!!それはいけない!なんてことだ。

 おい犬!ここは引いといてやる。」


「ナタリアの話には賛成だ。

 脳筋バカが。命拾いしたな。」


 2人は無事に引いていった。


「な、ナタリアさん凄いですね。

 私怖かったです。あわわわわ。」


「怖いって言って、身体から魔力が出てるこっちが怖いわ。」


 そんなミレルミアは遠い目をしていた。




 目覚めの時


 ふぁ〜〜。よく寝たと言うよりは、よく死にかけたな〜。

 大きく上げた腕を下に下ろしたら、両方からとても柔らかく温かい感触が。


「!!ななな、なんと。」


 右には鬼のセンキが左にはヘルガーがいた。

 横で添い寝してくれた。


 しかし、これはこれでいいな。

 なかなか手が離れませんな。


「おはようございます。キャスト様。

 ヘルガーの胸でよければ、どうぞたくさん揉んでください。よければその先も・・・」


「おはようございます。主人様。

 私もどうぞ召し上がってください。」


 あかん!あかん!

 素人童貞の俺にはキツイよ。

 あかんあかんわ、押し倒す!

 このままでは・・はっ殺気!しかも複数だと!


 振り向くと。


「おはようございます。主様。

 そんな奴より、私を押し倒してください。」


「おはようございます。

 その際は是非、クラウディアもどうぞ。」


「あわあわあわわわわ。

 おお、お、おはようごじゃいます。」


 茹蛸のように赤くなるハイネだ。


「あらあら、まあまあ。

 起きて早々元気でよかったわ。お姉さんも入れて?」


 お姉さん系のナタリアさんや。


「そうだよ。私もお姉さんとして接待するよ!」


 お姉さん?リタが何か言ってる。


「おいお前ら、キャスト様が困惑されているだろ。

 おはようございます。旦那様。

 それよりも私を抱いていただければ解決するかと。」


 余計に事件へと誘われるわ。


「あのーはい。すいませんでした!」


 とりあえず、速攻で謝った。

 

 そのあとは腹が減ったので食事タイムだ。


「はい。ご主人様。あーーん」


 食事をヘルガーが横でさせてくれる。


 もぐもぐうまい。


「フフ。」


 喜んでいるようで何よりだ。

 というか、この密集地帯は何よ。

 女子が代わり番子であーーんさせてくれる。


「嬉しいからいいか。」


 苦しゅうない。


 実に脳天気であった。

 食後は1週間近く寝ていたからか、状況把握から入った。


 まず、エラルドが奴隷の身分から全員解放した。

 中には拒む者もいたが、その方が俺のためになるって言ったら、あっさり受け入れたとか。


 シアだけは最後まで拒み続けていたとか。

 途中から刀を握って抵抗したそうだ。

 物騒な。


 そして、肝心のなんで人を集めたかだが。

 どうやら俺のギルド(会社)を建てるための人員と必要な製作係等の準備だったらしい。

 残り1年は俺が動けないから、その間に色々と進めてくれているとか。


 なにそれ、俺聞いてない。


「なるほどなるほど。実によく分かった。」


 全くもって分からん。

 なしてこんな状況に?どこまで進んでんのこの話?


 経営とかやったこと無いのに等しいから、時間を掛けてする予定だったが。

 あれれ?流れに身を任せるしかなくね。


 新しく入った仲間たちはリハビリをこの森で開始した。


 武器は使える物を各々に渡すらしい。

 冒険者登録をしてない人は登録を済ませるとか。

 更に3つにチーム分けをしていた。


 アリシア班にクラウディア・リタ・ナタリア・ハイネ


 ミレルミア班にグラディエ・アイン・エイン・アルケミー


 エラルド班にヘルガー・センキ・シェリオ・ブラス


 という感じだ。

 あれ?やっぱおかしくね?

 だって俺、仲間外れやん。しゅん。


 そして、皆んなは俺を他所に行動していた。

 肝心の俺は動けない。

 なんでって?疲れてるから。

 何かあっても戦えるが。


 一応、ハイネとエラルドの魔力バカコンビによる、防御結界を作ったらしい。

 出ない以上は絶対安心だとか。


 これってボッチコースやん。寂しい。


 そして、そのまま何ヶ月か経った。


 3ヶ月ぐらいしただろうか。

 入れ替わりで、ちょこちょこ帰ってきては、俺のお世話をしてくれる。


 尽くされて嬉しいです。ってダメだわ。

 ダメ男まっしぐらだ。

 けど、今日から少しずつ冒険者として、知識と力を身につけよう。


 目に見えるくらいのオーラ全開の力が身に付いたらいいなぁ。

 現実的に無理だけどね。

 そもそも、気の能力は目に見えるような物ではないからね。

 訓練を積んで編み出す技だから。

 死ぬギリギリまで集中できれば話は変わるけど。

 人間そんなに、死ぬ気にはなれないもんだ。


 あの時は必死だったから。

 力をなんとしても欲しい。という貪欲さかな。

 本読んで、あれよこれよと考えて今に至る訳だ。

 でも、本当に死にかける経験もするとはね。


 さて、しんみりするのはここまでだな。

 ここから、気量の最大値を伸ばす。

 また、死ぬ気でやらなくては。


 本当に苦労します。

 しかし、仲間もできて楽にもなった。

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