スクールクエスト
ゼロノオト
第1話 まずは基礎から!①
スクールクエスト
これは、平凡に生きていた青年の話。
人当たりは良いが自分が興味を持ったもの
にしか目を向けない。
少し難儀な性格だった彼が、様々なことを学び、成長していく 1つの物語。
高校に入学する前の彼。
一日の殆どを好きなゲームに費し、
他人と交流など友達の範囲内での付き合い
しか彼はして来なかった。
入学はしたが、この先の高校生活に関して当たり障りない行動を心掛ける程度であり、
俗に言う高校デビューなどと自分のスタンスを変えるような事はするつもりも
翔には無かった。
入学から1ヶ月が経った今日も、平穏な日々を過ごそうと思っている翔は制服を来て高校に足を運んでいた。
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僕が通う楠木高校は[自然を大切に]
というのが教育方針らしい。
緑豊かな自然と生徒の個性を大切にしていくというのがこの学舎での名目だ。
なのでテストや生活態度などで優劣をつけるようなことはない。
基本的に自由な空間のため、不良や問題がある生徒がいてもおかしくないと思っていたが、案外それらしい生徒を見かけたことはなかった。
僕にとって過ごしやすそうな場所だった
ので、ここを選んでよかったと思っている。
教室に入ると自分より早く着いたクラスメイト達が「おはよう」と僕に挨拶をして くる。
僕も返事をした後、自分の席に着いてから
カバンを置いて筆記用具と教科書を取り、
机の中に入れる。
「ふぅ……」
席に座って自分のスマホを取り出し、
検索画面に[モンクエ アップデート 最新] と入力し、検索した情報が表示される。
[モンスターズクエストライフ]
という今大人気ゲームソフトの最新情報を探していた。
プレイヤーは狩人となり、数々のモンスターと戦いながら素材を集めて装備や武器を作っていき、より強いモンスターと戦う。
内容はシンプルだがやり込み要素や グラフィックの良さがある作品となっているため、子供から大人まで多くの人達がプレイしている。
僕もその中の1人。
開発者側から新しいモンスターの発表が
あり、その情報を調べていた。
「ん〜、特徴と生体の説明だけか…」
モンクエの公式サイトにある最新情報を 見ていたが、名前と基本的な内容しか
記載されていなかった。
僕が調べたかった内容はそのモンスターを素材にどのような武器や防具が作れるのか
というのが気になっていたのだが、僕が望むような情報はなかった。
仕方がないので一通り内容を見ながら スクロールしていく。
「よう翔、何してるんだ?」
スマホの画面を見るのをやめて振り返ると、そこには今教室に入ってきた僕の旧友である
「陽真か、ニュース見てた」
「嘘つけぇ、どうせモンクエの情報だろ?アプデ情報あったからな」
「さすがだな、よく知ってるじゃないか」
「いやお前がスマホ見るのってそれくらいしかないじゃんかよ」
「そうか?」
「はぁ……もうちょい周りに興味もってくれりゃこっちも色々教え甲斐があるんだが
なぁ……」
ぶつぶつと喋っているこの帯刀 陽真という男は小学校からの付き合いで見た目のわりに老若男女面倒見がいいうえに、人との付き合い方が上手い。
髪は金髪で少し遊ばせているが顔立ちが 少し優しめな感じなので女子ウケもわりと
あるらしい。
身長も僕と多分同じくらい、175cmほど だったと思う。
入学して1ヶ月でもうクラスの中心的な 存在になっていた。
「別に皆を煙たがってるわけじゃないし、それなりにクラスの奴らとは関わってるんだから問題ないだろう?」
「いやそういうことじゃなくて……お前顔はいいのに勿体ないぞ……?」
「はぁっ」とため息をつく陽真。陰キャの ような対応はしてないはずなのだけど。
顔の善し悪しで何が変わるというのかよく分からなかった。
雑談の輪に入るようなことはしないだけで他は別に問題ないはずだし、ちゃんと挨拶もしている。
授業中もこれといって悪い印象を与えるようなことはないと思う。
なぜそんなに陽真が危惧しているのか僕には理解が出来なかった。
そんなことを考えていると他の生徒が次々とクラスに入って来る。
その中の1人、茶髪の長いロングヘアの女子がクラスに入ってくると周りの生徒がざわつき始める。
雑誌モデルのような整った顔立ちをした
彼女が元気よく皆に挨拶をして、僕の隣の席に着く。
「おはよう天河君!帯刀君もおはよう!」
「おはよう」
「おはよう明日見さん、相変わらず今日も元気だなぁ」
「そう?ふふっ、今日はちょっと楽しみにしてることがあるから、多分いつも以上 かも!」
満面の笑顔で挨拶をしてきた彼女は
彼女もこのクラスの中心的存在。
裏表のない性格とそのルックスで男子には
勿論、 女子からも人気がある。
隣の席にこんなインパクトのある彼女が いるせいか名前はすぐ覚えた。
「……?スマホで何見てるの天河君?」
「最近のニュースだよ」
「おいおい…」
冗談で流してその場の会話を終わらせた。
別に隠したいわけではないが……。
色々聞かれたり、僕に対して何か思われたりするのは面倒なので、適当な返事をして
スマホの画面に 視線を戻した。
しかしチャイムが鳴ったのでクラスメイト達は自分の席に移動していく。
僕もスマホを見るのをやめると陽真も
「じゃあな」と言って自分の席に戻った。
そのタイミングで担任の先生が教室に
入り、日直が号令をして先生が出席を
取り始めた。
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