第3話現婚約者


嫌!嫌!嫌!嫌!

もう嫌よ!こんな生活!!!


朝から晩まで勉強ばかり。

食事の仕方から歩き方まで一々指摘してくるのよ!

一体どこの姑よ!



もう限界よ!!!






「あのおばさんが厳し過ぎるのが悪いんだわ!」


「そうか……」


「もっと私に合った教育係がいいわ!皆、酷い事ばかり言うのよ。お義姉様は完璧にマスターしたのに、って」


「そうか……」


「生まれた時から高位貴族で、エドワード様の婚約者だったお義姉様は出来て当たり前じゃない!教育の期間が違うのよ!それを一年でマスターしろという方がどうかしてるわ!」


「そうか……」


「王宮の人達も私とお義姉様を比べて陰で嘲笑っているんだわ!最低よ!」


「そうか……」



もう!

何なのよ!

エドワード様ったら、「そうか」しか言わない!

私がこんなに酷い目にあっているのに!



「だけどアリス、王太子妃になるには全て必要なマナーなんだ」


「でも……」


「アリスが妃教育を終了させないと僕達は結婚が出来ないんだよ?」


「それはダメ!!!」


「なら頑張ってくれるね?」


「……はい」






こんなに頑張っているのに……。

一体何がいけないの?

男爵家に居た時は、マナーは完璧だって家庭教師から言われていたのに、公爵家や学園では「不合格」と言わんばかりの態度を取られ続けた。

きっとお義姉様が裏で何かしたに決まっているわ。

王宮の人達にも学園同様になにか吹き込んでいるのよ!

そうでないと、おかしいもの。


だって、可愛い私が泣いて嫌がっているのに平然としているのよ?

変だわ!

どうして私の元に駆け付けないの?

泣いている私を慰めるべきでしょう?

「辛い目にあったんだね、もうんだよ」と言うべきでしょう?


こんなのおかしいわ!!!


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