第81話・そしてゲームは続くよどこまでも

 イベントが終わり、リザルドがもたらした恩恵は、カリバーなど一部プレイヤーは真竜の加護が送られ、水晶が特別なクエストをするようになった。


 竜闘気と言うスキルで、カリバー達はすぐにそれを受けるようになった。綺羅星曰く、竜王の力を宿しているとのこと。


 水晶の角などが大きくなり、立派に働くさまを喜ぶロザリオ。モミジ達からロザリオ様はとてつもない運命の元にいるかと、とか言われてる。


 マーリンから仕入れた情報は言わんでおこう。っていうかそろそろその辺の情報が流れ出してるんだろう。


「それじゃこの子の名前は『星樹』、せいじゅだね」


「マンマー」


 ロザリオのことをママと呼び、俺のことをパパと呼ぶ。


 命姫は妹ができてお姉ちゃんとして頑張るため、魔王の力を使うらしい。綺羅星から魔王について色々話を聞いて、クエストを出している。なんか段階があり、魔王として活動しているらしい。


 パパは忙しいし、その手のイベントを他の人に流さないとマジで俺の独占ばかりになる。魔王クエストは大がかりにならない限りは、他の人に任せることにする。


「さて、次は大聖樹の物流確認か」


 大聖樹は新たな都市として竜の里とくっつき、二つの都市を運営することになった。膝の上に命姫と大聖樹の姫君を乗せて仕事することがしばしば。ロリコンって呼んだ奴は死刑で良いか。


 このイベントもそろそろ終わりそうだ。一切触れていないが陸、海と来れば空だろうと言う話があり、色々調べられている。


 お蔵入りしなければ空は一応やるだろう。ストーリー性は期待できないが、経験値とか欲しいからして欲しい。ついでにロザリオ達には迷惑をかけないで欲しい。


 俺は打倒ウンエーと言う旗印のもとに色々しながら、今日も大勢のプレイヤーの面倒を見る。いくらMMORPGだからって他のプレイヤーの動向見過ぎじゃない?


「まあいいか」


 そう思いながら書類整理をしたいると、ユニと双子ちゃんが入ってくる。


「「大変です」」


「急いできてください!」


 なんだろうと思いついていくと、あの白いコボルトとバンダナがいた。


 教会は綺麗な形になり、ロザリオをモデルにした女神像を作り、花が舞いながらお祝い状態。


 白いコボルトとバンダナの腕には三つの卵があり。バンダナは頬を赤くして、白いコボルトは尻尾を絡めていた。


 よかったよかった。めでたいなと思いながらユニを見る。


「ぐふ、ぐふふ」


 ハンドサインで衛兵に指示して包囲、マーリンも捕縛の呪文をこっそり唱える。


 卵を狙う不埒ものはジャンヌ達がひっとらえ、こうしてやっと一息つけるようになったのだった。


 ◇◆◇◆◇


 アリスです。いま卵フィーバーに入ったのか、各場所から赤ちゃん語で卵に話しかける人が多数いる。


 白薔薇ちゃんは兎さんの役に立つため、一撃必殺のアタッカーになるため、取れる戦闘スキルを習得する。NPCである彼女達はこうして進化していると感心した。


 白薔薇ちゃんは最近、二人の専属服飾プレイヤーから防御面だけでなく、攻撃面も上げる衣装を受け取り、貢がれていくアクセサリーから攻撃力を上げたりしている。


 バンダナ君は奥さんができて、オウマと言う人から秘伝を教わっていた。


 そして、鍛冶師コボルト達がなにやら凄い物を発明しようとしている。なぜか私が持って来た品物で。役に立てて嬉しいけど、またデータ盗ったとか思われないか心配だな。


 最近忙しいのかお父さんは帰ってきてもすぐに会社だ。おそらく、このイベントも本格的に動くのだろう。


「ロザリオさんにミルク届けないと」


 そう呟いて私は魔王城の一室へと向かう。そこでベビーベットとか作り、星樹ちゃんの面倒を見ていることが多い。


「マーマ、マーマーだよー」


「うぅ………マンマ」


「よく言えましたねえ」


 マーリンさんがなにやら仕込んでる。これは報告するべきか? ユニさんはいま仕方ないとはいえ牢屋だし、比較的まともな人がいま竜の里。いずれ大聖樹の都と呼ばれるようになるところに行っている。


 私はまた逃げた。だって関わると面倒なんだもの。


 ごめんなさい兎さん、私はまた逃げることにしました。だってめんどくさいと思うの。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい………


 ちなみにマーリンさんの顔はイタズラを仕込んでいる悪ガキの顔をしていた。


 ◇◆◇◆◇


 現実世界、俺は手土産にゲームの本を持って、彼女の元に出向く。


 ゲームから離れることはしないが、やはり少しは現実の世界も頑張らないといけないのだろう。


 しかし、最初のころはよかった。モンスターを倒すだけで英雄になり、周りから称えられていた。


 だがいつしか目先の欲に駆られ、人様に迷惑をかけるようになりやめる事態になったが………


「ほんと、やめないでよかったよ」


 俺はそう微笑みながら彼女のいる病室へと向かう。今度のイベントは病魔編クライマックス。


 勝利を必ず手にに入れる。許される範囲の手を使ってな。


「兎さん♪」


「こんにちはロザリオ」


 なに、幸運の女神はここにいる。俺にはね。


 こうして俺のゲームライフはまだまだ続くのであった。


 ◇◆◇◆◇


(攻略辞めたら運が上昇した・完)


 次回番外編などのご報告、あとがきへと続きます。

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