第18話 正しいについて

 

 古来、人間は善悪、是非、正邪について考えてきたが、古代中国の聖人・賢者の思想家が答えたように、


「正しいと悪いは、存在しない」


 が、正確なのかもしれない。


 某漫画の主人公のように、


「人間ってのは利害が、からめばなおのこと、自分のことが正しいって思うものだぜ」


 このセリフがすべてを表していると思われる。そう、


「人間は自分のことが正しい思いたい存在」なのである。


 ひるがえって歴史を俯瞰してみても、


 どの国も自分(自国)中心に考え行動してきた。


 ゆえに大和朝廷は各地の異民族、「隼人はやと」や「熊襲くまぞ」、「土蜘蛛つちぐも」、「蝦夷えみし」などを武力で平定したし、中華思想により漢民族は、タタール、女真、モンゴルなどとは、難しい問題を抱えてるし、古代ローマ時代も周辺国を植民地と化した。


「パクス・ロマーナ」「パクス・ブリタニカ」そして現在の「パクス・アメリカーナ」


 ・・・こう考えると、「国家」の常態は「帝国」なのかもしれない。

 

 イギリスはスカンジナビア半島の、海賊に襲撃されたこともあるが、自国の海軍も、もともとは海賊が出自であった。


 アメリカに最初に入植してきた人間たちは、あぶれ者が多かった。


 日本では徳川家康が犯罪者を取り締まるのに、元・犯罪者を目明し(今でいう警察官)に、取り立てたという。


 ニーチェの「善に強いは悪にも強い」という言葉や、「怪物と戦う者は、戦いながら自ら怪物にならぬよう用心したほうがいい。 あなたが長く深淵を覗いていると、深淵もまたあなたを覗き込む。」などもある。


 さあ、これもどっちが真理か?


















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