File No.10:ルリナちゃん美の誇り! ついに英雄復活!!
くぅ〜! 石ケ谷ヒロミ、一生の不覚!
あの変態蜂女のメークイン……じゃなくて、ビークイーンの成すがままにされちゃった!!
――タケルは鼻血垂らして天昇してるし……
――あたしも麻酔針に刺されて全身ビリビリ、歯医者さんの麻酔よりも強烈だわ。
それよりも気になるのは待機しているルリナちゃん。戦闘員達に捕まってないかな……
☆★☆★☆★
「あわわわ、どうしましょどうしましょ、ヒロミさんとタケルさんが捕まって大変大変、どうしましょどうしましょ~~!!」
まるで子猫が自分の尻尾を追っかけるようにチョコチョコ周りながら慌てふためいているルリナちゃん。うん、可愛い。ぎゅってしたい。チューしたい♡︎
――でもその前に、あたし達を助けて~!!
しかし慌てているルリナちゃんに、あることが思い浮かんだ。
(……はっ! そうだ、こんな時こそヒロミさんに恩返しするチャンスじゃないの! 今度が私がヒロミさんを助ける番だわ!!)
そうそう! ホントは危険な目に合わせたくは無いんだけど……今回はルリナちゃんだけが頼りなの!!
すると、ルリナちゃんは堂々と胸を張るポーズをしながら……
「――にゅっ! ルリナちゃんおおいにむねはるッッ!…………じゃなくて、がんばるッッ!!」
……それは鼓舞の掛け声なの??
何か知らないけどすっげぇ良い子良い子したいんだけど。とにかく、ルリナちゃん頼んだよ~!!
☆★☆★☆★
一方、例の風◯じゃなくて、ジャックスの地下アジトでは。
「ベクター大佐ぁ♡︎ 例のトクサツ少女と結構好みな男子を捕獲しました!!」
『ウ、ウム。ゴクロウダッタ……』
只今ビークイーンが任務完了の報告に連絡中。
それにしてもビークイーン、ベクター大佐のような30代男性でも片言になるほどの恥女ってどれ程なのよ!?
「でも大佐ぁ、こんなちっちゃな積木がそんなに大事なものなんですかぁ? こんなのおっぱい用の美容マッサージにもならないのに」
……あたしのトクサツールをその淫らなおっぱいに押し付ける気か恥女コルァ。ちなみにルリナちゃんなら許すっ!!
『馬鹿者、神からの産物をそんな風に使うんじゃない。
そのトクサツールはな、我々ジャックスにとっても大事な鍵となるものなんだ。お前は黙ってそいつの保管とトクサツ少女を見張ってろ!!』
「はーい、分かりました~」
ビークイーンはふて腐れながらも空返事をした。前の怪人と違って結構いいかげんな性格をしてるみたい。
「……ねぇ大佐ぁ、今度本部で私とバージ――」
『うるさいッッ!!!!』
オイ、見境なしかビークイーン。
ベクター大佐も誘いに乗らないうちに通信を切った。
「全くあのエロ蜂は……しかし、仮にトクサツールを奪い返して封印の遺跡に行こうとしても無駄だぞトクサツ少女め。――何故ならあのトクサツールは…………!」
……何よ、勿体ぶらないでよベクター大佐!
☆★☆★☆★
さーてあのアホ達はほっといて……肝心のルリナちゃんは何処行ったのかしら?
……あ、いたいた! 螺旋階段を降りて例のエレベーター前にルリナちゃん!
一呼吸置いて決心したルリナちゃんは、ボタンを押してエレベーターで上に上がる。
「……ん~? 今日はお客さん多いわねぇ」
モニターで上に上がるエレベーターに気付いたビークイーンはまたしても扉の前で誘惑の準備に勤しむ。
気をつけてルリナちゃん、扉開いたら2秒でえっち攻撃に惑わされないで!
――――チーン!
到着して扉が開く……
「いらっしゃ~……!?」
ビークイーンはこの時初めてびっくりした。と言うのも……
『~~♪♪』
エレベーターの扉の先には、何故かラジカセにナイトクラブに掛かりそうな魅惑の音楽が流れる。
「ちょっとだけよ~♡︎♡︎」
――――ぐはッッ!!!!(鼻血噴出)
ルリナちゃんがチャームポイントの緑エプロンドレスを脱いで、純白のランジェリー姿で巨乳&ナイスバディを見せ付ける……!!
こんなのあたしが一番見たかった!!!
「ちょっと何よ何よぉ! 小娘が私に美貌見せ付けようなんて100年早いわよ!!」
ビークイーンに負けず劣らずのルリナちゃんの巨乳ボディにジェラシーを抱く蜂女。
「貴方がビークイーンですね……随分おっぱいだけ大きく見せて、他のバランスが保っていないんじゃなくて?」
おおっと、ルリナちゃんが不敵にビークイーンを煽っているぞ?
「何ですって~!? 貴方みたいな純情ピュアなお子ちゃまに私のエロティックボディが敵う筈はないわ!! 私のおっぱいはIカップなのよ!!!」
「私はHカップですわ」
やっぱり、あの程よい大きさはHカップだと思ってたあたしの眼は節穴じゃ無かった。でも肩に来そうな程の巨乳相手にルリナちゃんはどう立ち向かうの……?
「アハハハハッ☆ そんなちっぱいで私に勝てると思ってるの? この蜂のチャームなぐるぐる! 巨乳こそ全人類の正義なのよ!!」
Hカップでちっぱい言われるんじゃ、Bカップのあたしって一体……
「分かってないですね……この汚れなき純白の輝きこそが、真の美なのですッッ!!!」
するとルリナちゃんは更なるアピールを魅せ付ける!!
都会を優雅に歩き、男達を悩殺するモンローウォーク。華麗なるモデル立ち。
そしてビークイーン目掛けて、女の子(特にあたし)をも釘つけにする、サキュバスウィンク!!
――キラッ☆☆
これには性欲に溺れたエロ蜂女もタジタジ!
その輝きたるや、汚れなきダイヤモンドの如く純白に輝いていた! もうデートは飛び級スキップで結婚しよルリナちゃん♡︎♡︎
「どうです? えっちで汚れた心に屈しないダイヤモンドセクシーなルリナちゃんは!?」
「きぃぃぃぃ! 生意気な小娘ね!!
――ボーイさん、お金は良いからこの子を帰して頂戴!!!」
だから風◯じゃないっての。
「「ニィィィィ!!!」」
ボーイならぬ戦闘員(男)が飛び出し、ルリナちゃんを見ては、女に飢えた狼のようにやらしい目付きで迫ろうとしている! 早くエプロンドレスに着替えて!!
「そんな眼で見ないでよ、リアルえっち!!」
疾風のように着替えたルリナちゃんには、戦闘員達の猛攻にただ逃げることしか出来ない。
その追っ手から逃げながら、ルリナちゃんは例のチートツールの居場所を探す。
「……あ、あった!!」
通信モニターに置かれていたトクサツールを見つけたルリナちゃん!やったぁ!!
後はあたしと
「「ニィィィィ!!」」
「きゃっ!?」
大変! 戦闘員に見つかって袋小路になっちゃったルリナちゃん。
(どうしよう……)
落ち着いて! 想像力さえあれば、ルリナちゃんもトクサツールを使えるはずよ!!
「……よーし、こうなったら!! ――トクサツールッッ!!!」
ルリナちゃんはトクサツールを天高く投げて、いざというときに役立つ道具や武器に変化させた!
「トクサツール・掃除機!!」
「「ニィッッ!!?」」
ルリナちゃんの前に巨大なサイクロン式掃除機が現れた!!
「スケベな戦闘員さんは吸い込まれて反省してなさ~い! スイッチオン!!」
「「ニィィィィィィィィ~~~~!!!!」」
――キュポン☆
トクサツール。戦闘員を吸い込んでも吸引力の変わらない只一つの掃除機(今だけは)。
そして後からビークイーンも駆けつけた。
「んもぉ~ムカつくぅぅぅぅ!! こうなったら貴方もトクサツ少女と一緒に刺しちゃうから!!!」
ビークイーンがレイピア抜き出し、ルリナちゃんに迫る。
「私、痛いのとヒロミさんをいじめる人は嫌いです! 受けてみなさい、トクサツール・バストケアクリーム!!」
もう一度ルリナちゃんはトクサツールを投げて変化し、バストケアに使う美容クリームに変えた!!
それをルリナちゃんは手に付けて、ビークイーンのおっぱいに塗りたくった!!(なぬ!?)
「あ……はぁぁぁぁぁああああん! スッゴい気持ちいぃ~~♡︎♡︎♡︎」
※エロい妄想してる読者の皆様へ、あくまでもこれは胸のマッサージです。
それをもエロに書き換えるほどに悶えるビークイーン。
「ビークイーンさん、おっきいおっぱいって結構体に来るんですよ? こんなに下の方へ垂れ下がっちゃって、おっぱいのバランスを保つ事も美貌なんです!!」
ルリナちゃんしつもーん。その胸もないあたしはバランス保ってますかー?
「……悔しいけど、貴方の言うとおりだわ。どうやら私は貴方には美しさだけでなく『心』にも負けたようね……」
普通なら怪人相手にやっつけるのが定番だが、ルリナちゃんはどんな相手にも殺生はしない。罪を憎んで人を憎まず、ルリナちゃんはホントに優しい美人なの!
「貴方には借りが出来ちゃったようね。こうなったら私も貴方のようなダイヤモンドセクシーに負けない美貌を作って見せるわ!! 覚えてなさい、ルリナ・グリーンリバー!!!」
すっかりおっぱいが整えられたビークイーンは悔しそうに捨て台詞を吐きながら、アジトを後にした。
……てかビークイーン、また現れるの??
その時にはあたしも対策立てなきゃ。
☆★☆★☆★
「ごめんねルリナちゃん、あたしの為に危険な目に合わせちゃって……」
「大丈夫ですよ。いつも私を助けてくれてるんですもの。その御礼です!」
「ホントにルリナちゃんは優しいなぁ……☆」
ルリナちゃんの大活躍によって、あたしは彼女に足を借りながら助けられた。まだ麻酔の痺れが取れないの……
「それにしてもこのふわついた感覚はなんだ……まるで夢でも見たような感じだ」
ついでにタケルも助かった。時々ぼーっとしてるのは治ってないけど。
「着いたぞ!!」
タケルが指差した先には、コケで覆われた石垣。英雄を封印した遺跡に辿り着いた!
中に入ると、何かの儀式で使われたような祭壇、そして奥の壁には深く刻まれた絵が掘られた大きな門のようなものが……
「マイクロチップや現地の情報で調べたんだが……あの門のような壁の先に、この世界の英雄が封印されているらしい。その封印を解く方法は一つ。
――その壁に填める鍵を入れれば良い」
「鍵――!?」
タケルが言うんだから嘘では無いにしても、鍵を填める錠前らしきものは、手前のキューブ状の窪みだけ。
――――キューブ状って、もしかして……
「ピッタリだ……!!」
偶然か真か、その窪みとトクサツールがピッタリサイズに合ったのだ!
「まさか……そのトクサツールが鍵なのか!?」
「ヒロミさん、試してみますか……?」
「…………うん!!」
あたしは一か八か、その窪みにトクサツールを填めこんだ――! すると……!?
ゴゴゴゴゴゴ……!!
遺跡の鈍い地響きを立てながら、門のような壁に青白い光と共に亀裂が走り………
その門が――――開いた!!
ビカァァァァァアアアアアアッッ!!!
「キャァァァァァアアアアアアアアアアア………………ッッ!!!!!」
あたしは開いた門から解き放たれた虹色の光をまともに浴びて、そのまま意識を失った。
ルリナちゃんとタケルもその光に眼を伏せる。
光は勢いを更に増し、それは異世界を突き刺す巨大な柱となって、そのまま天や宇宙へと貫いていく。
――――そしてその光が徐々に勢いを失い、消えたことによって再び静寂が戻った。
「……う、ん……? はっ!? ヒロミさん!!」
いち早く気がついたルリナちゃんは急いで倒れたあたしの元へ駆け寄る。タケルも後から様子を伺った。
「……大丈夫だ、気を失っているだけだ」
「良かったぁ…………あれ、何でしょうかこれ?」
あたしの無事に安堵するルリナちゃんだったが、ある異変に気付いた。
トクサツールが消えた代わりに、あたしの腰に何やら派手なものが付けられていたのだ。
「これって…………【ベルト】???」
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