トクサツ転生少女ヒロミ!~特撮チートツールを持った女子は一応異世界を救うけど、本心は女の子を助けたい~

episode1:トクサツ少女ヒロミ登場!!の巻

Foreword File:英雄都市に関する報告

 ――君は、英雄ヒーローを信じるだろうか?


 ――俺は信じなかった。



 ……と言うのも俺が住む世界というのは、当たり前のように『英雄』が存在する非現実的な世界。


 名前を【英雄都市・ブレイドピア】と呼ぶ。


 近未来的な都市をイメージすると思うんだが、基本的には読者の皆の住んでる町と雰囲気は変わらない。洋風と和風の割合から見ても8:2で見てくれれば妥当だろう。


 ただ現実とかなり変わっている事と言えば、英雄と一般人の割合も8:2。早い話が殆どの人口がヒーローで出来てる事。



 個性がぶつかり合いすぎて、色んな意味で騒がしい異世界だ。取り柄の無い英雄なんかは空気になって漂っているらしい。

 だから困り事とか事件とか、治安の事はいつも英雄達に頼って解決してたのだから、刑事も政治家も要らない。何とも極端だが、これこそ真の平和だと俺も含めて誰もがそう思っていた。


 ――――――ところが。


 英雄と来たらばその逆に、も付き物。


 突如この英雄都市に現れ、名前も正体も知らない悪の化身には、連戦練磨の英雄達は全く歯が立たなかった。

 あろうことか、そいつが放った途轍もなく邪悪な力によって、殆どの英雄がされてしまった。


 異世界から英雄は一人も居なくなって、そいつらが政治家の如く支配するようになってから世界はおかしくなった。


 英雄の代わりに怪人が街並みをごった返すようになり……ゴミのように国民は殺されるわ、実験台にされるわ、変なウイルスばら蒔いてバイオテロ起こすわで神も仏もありゃしない。


 ――俺は英雄なんか信用しない。


 いつか俺の手で、人々の希望を潰した奴等を叩き潰してやる!! ……そう、思っていた。




 ―――――“アイツ”が現れるまでは。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る