ジングル・ベル

在りし日の幻影をコートの代わりにハンガーにぶら下げて

窓から無音の暗闇の降雪を眺めれば

母の迎えを待つ幼い雪の日を思い出す

今となっては迎えにくるような人はどこにもおらず

いくら待てども状況に進展はない

明日は世間が待ち望んだ一大イベント 

電飾を赤や青、緑に光らせてヨモギが立つ


煌めくオルゴールがジングル・ベルを口ずさめば

幼き日の思い出が未だに母の迎えを待っている

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