特別記念 小さいフランの大冒険 大きな犬と友だちになりました

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

記念特別号です。

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私はフラン。今は5才。ルブランこうしゃく家のおじょう様なの。


今日はお母様に言われて『まの森』に来ているの。


お母様が言うにはルブラン家の子供は5才になると『まの森』でしれんに合わないといけないのだとか。


「しれんってなあに?」

私がお母様に聞くと、


「まあ、冒険みたいなものね」

お母様は笑って言ってくれた。


「えっ、ボウケンなの。フランもごせんぞ様みたいにボウケンができるの!」

私はとたんにやる気になった。


そう、ボウケンは私がいつもやりたいことだったから。


このルブラン家のごせんぞ様も、ボウケンが大好きで彼はマモノをやっつけたり、ドラゴンを家来にしたりしたらしい。


お父様はまだフランには早いと言っていたけれど、ついにわたしもボウケンデビューができるのだ。


私はウキウキモード全開だった。


そして、お母様に連れられて魔の森の中に連れられて、何か矢印の動く機械をわたされたのたのだ。


「この矢印の先に我が家があるからそこまで頑張って冒険するのよ」

「わかった。フランがんばる」

私はこの時はやる気満々だったのだ。


私のコシには私のタカラモノのエクスカリバーをさしてリックの中には食べ物とか飲み物を入れて、私はピクニック気分で歩き出したのだ。


いつも私をじゃまするお父様やキシたちもいなくて、ぜっこうのボウケン日和だと私はうれしくてあるきだしたのだ。


ゴールのわが家が100キロも先にあるなんてその時は思ってもいなかったのだ。


あるきだしてすぐにイノシシ型のマモノが飛び出しきた。


「とりゃーー」

私はエクちゃんでなぐりとばしていた。


「うーん、一匹目ゲットだぜ」

じぶんでもよくわからない言葉を言いながら私は絶好調だった。


1時間位歩いただろうか。


マモノはたくさんいて、私を子供だと思ったのか次々に飛びかかってきたが、全てエクちゃんではりたおしていた。


でも、矢印を見てもメーターは全然減っていない。


私はいい加減に疲れてきたので、休むことにした。


リックの中の紙袋をあけるとなんと、大好きなケーキが入っていた。


「ケーキだ、やったー」

わたしはうれしくなった。うちはビンボウなので中々ケーキにはありつけないのだ。


むしゃむしゃ食べていると


「ギャオーーーー」

とつぜんおおきなまものがおそってきたのだ。


私は思わず立ち上がってケーキをおとしてしまったのだ。


「ギャーーーー」

せっかくのお菓子が……


それもおとした私のケーキを、まものがふんづけたのだ。


「何すんのよ!」

私はプッツン切れていた。


私の手からはすごい光が光ってあっという間にまものは消え去った。


マモノはやっつけたけど、私のケーキが……


私はむちゃくちゃ悲しかった。



やけくそになった私は、それからも、矢印の方にドンドン歩いていった。


でも、歩けど歩けど着かない。


私はお母様にはめられたと思った。


お母様はいつもこうだ。


この前もケーキをここにおいておいたから取ってきなさい。


と言ってこの矢印の機械を渡してくれたのだ。


でも、そのケーキのある場所はとても遠くて次の日に私が着いた時にはマモノに食べられた後だった。


まんぷくでねていたマモノたちを切れた私がたいじしたけれど、食べられたケーキは返ってこなかった。



今回も、食べ物はケーキしか入っていなくてお腹の減った私はそのあたりの食べられそうな草木を食べながら進んだのだ。


にわしのじーちゃんに食べられそうな草木の見分け方は聞いていたし、多分あっていたと思う。


とちゅうでお腹が少し痛くなったけれど、大丈夫なはずだ……




そんな時だ。目の前に大きな犬が現れたのだ。


それは大きな岩ほどもある犬だった。


私よりも遥かに大きい。『まの森』では犬まで大きくなるみたい。



「うーーーー」

ワンちゃんは私をにらみつけてうなりだしたのだ。


にわしのじーちゃんは犬をしつけるには逃げたら駄目だと言っていたなと私は思い出した。


私も


「うーーーーー」

ワンちゃんと同じようにうなりだした。


でも、次にはワンちゃんは大きな口を開けて私に襲いかかろうとしたのだ。


でも、私の口はあそこまで大きくない。これでは負けるではないか。


こうなったら最後の手段だ。


私はおやゆびをつき出して思いっきり

「めっ」

って言ってやったのだ。


これで私に噛みついてきた犬はいない。


わんちゃんは最初はテイコウしてきたが、私がにらみつけるのをやめないとついに首をたれて

私の前に頭を差し出したのだ。


「よいこ、よいこ」

私がなでると


「クーン」

と鳴いてくれた。


その日の夜は私はそのワンちゃんを抱きまくらにして眠った。


とても暖くて寝やすかった。


途中でうなりごえが聞こえたようなきがしたが、

「うるさい」

ってさけんでたたいたら静かになったようなきがした。


翌朝ワンちゃんをみたら頭に大きなたんこぶこしらえていたんだけど、どうしたんだろう?



次の日はボウケンもいい加減に疲れてきたので、ワンちゃんに乗せてもらうことにした。


私を乗せたワンちゃんはとても早かった。



あれよあれよという間に家のお城が見えてきたのだ。



「おい、フェンリルがこちらに向かってくるぞ」

「魔の森の主が何故襲ってくる?」

「直ちにお館様に連絡を」

「お館様は外だ。」

「騎士達の大半が出払っているぞ」

「奥様に連絡だ」

なんかお城の騎士たちが大騒ぎしているんだけど。


フェンリルって何だろう? この犬の種類なんだろうか?



「おい、フェンリルの上に誰か乗っているぞ」

「嘘をつくな」

「本当だって」

「何処だよ」

「ほら、背中に」

「本当だ」

「いや、でも小さくないか?」

「子供だぞ」

「まさか、フェンリルが人を攫ったのか」

「いや、あれはこちらに手を振っているぞ」

「フランお嬢様だ」

「うそ、お嬢様がフェンリルを手懐けられたのか……」


私は大騒ぎしている騎士達の目の前でフェンリルから飛び降りた。


私を迎えてくれた騎士達は驚きの目で私を見ていた。


「みんな、むかえてくれてありがとう。りょうりちょうはいる? おなかへったんだけど、なんでもいいからたべたい。それてこのワンちゃんにも何かあげて」


私の言葉に皆呆れて声も出せないみたいだけど、なんでだろう?




後でお母様に野生のフェンリルに乗ってきてはいけませんって怒られたけど、疲れたから仕方がないじゃない。


ワンちゃんに乗ってはいけないってはじめに言わなかったくせに!


本当にお母様はわがままだ。


「フラン様。出来ましたよ」

りょうりちょうは私の目の前に大好きなハンバーグをだしてくれた。


「ありがとう」

私はおれいを言うとフォークをハンバーグにつきさしたのだ。


ま、お犬さんとともだちになれたし、良しとしよう!


「いただきます」

私は大喜びで料理長の作ってくれたピーマンいっぱいのハンバーグにかじりついていたのだ。


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小さいフランの冒険いかがでしたか。

小さい時から食い意地の張っているフランでした。


そして、第4部ですが、現在鋭意執筆中です。

そろそろ開始予定です。

新学年になったフランの活躍をご期待下さい。


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