『つぎラノ』【書籍化】web版 悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~
第18話 ムカムカしたのでリミッターを外したら、訓練場を破壊してしまいました。
第18話 ムカムカしたのでリミッターを外したら、訓練場を破壊してしまいました。
その日は朝から結果的にアドと一緒に朝食を食べさせあった事になって、とても疲れてしまった。
しかし授業は待ってくれない。地理、地学、数学、詩歌と怒濤のごとく授業が続いたのだった。
そして、やっとお昼の時間が来た。朝は一緒だったので、まさか昼はアドは来ないだろう、と安心して、今日こそ完食するぞと焼き魚定食を食べていた。このマスに似た魚は美味しい。私が嬉しく食べていると、他のクラスの友だちのところに行っていた、バンジャマンが慌てて帰ってきた。
「大変だ」
バンジャマンが、はあはあ息を切らしてして言った。
「どうしたの?」
私はマスの身を取りながら聞いた。
「この前、王子からフランがもらった花束がめちゃくちゃにされた件があっただろう。他のクラスではあれがフランの自作自演だと噂されていたぞ」
「えっ、何よそれ」
私は驚いた。
「どういうことよ。バンジャマン」
メラニーが血相変えて聞いてきた。
「どうもこうもないよ。何でもフランが、聖女を貶めるために自分で花束をめちゃくちゃにして聖女のせいにしたと言うんだ」
「何よ、それ、そんな事して私に何の得があるのよ」
私が聞くと、
「聖女と殿下が仲良くしているのが気にいらなくて、王子を自分の方に向けるためにわざとやったんだと」
「何だと、あの聖女の野郎。フランが許してやったからって、そんな噂立てるんなんて許せないぞ」
アルマンが怒って立ち上がった。
「本当に許せないわ」
続いてノエルも言ってくれる。
「あいつらがそう出るなら、こっちは真実を言ってやろうぜ」
「わかったわ。私も他のクラスの皆に真実を言うわ」
皆憤ってそれぞれが誰に話すか決めていった。
私は良い予感がしなかったが、皆がやってくれるというのならば、それを制限する必要性も感じなかったので黙っていた。
でも、この噂の騒動のお陰で、また食べる時間が無くなってしまったのだ。
次は2時間続きの魔導実技の時間だった。私たちは途中で食べるのをやめて、慌てて更衣室に向かったのだった。
魔導実技の授業は屋外の訓練室で行われた。体操着に着替えた私たちは担任のベルタン先生の前に集合していた。
「よし、今日はまず、君たちの実力を知りたい。思いっきり的に向けて、自分の一番得意な魔術で攻撃してほしい」
ベルタンはそう言うと名簿順にどんどん攻撃させていった。
皆まちまちだったが、衝撃波系の魔術が多いように思えた。
私の前のアルマンは水魔術だった。消防車の放水のような勢いで水を出して的を壊す。アルマンは火事の時に便利ね。私は勝手にそう思った。
次は私の番だった。私は私の噂についてムカムカしていた。どうせピンク頭かグレースの奴が流したに違いない。
「先生。本当に思いっきりやって良いんですか?」
「ああ、大丈夫だぞ。剣聖がされてもびくともしなかったらしいから」
まあ、剣聖もそこそこ魔力はあったはずだ。
それに、ここの障壁突き抜けても向こうは壁だし、その向こうは森のはずだ。最悪のことが起こっても問題はないはず。
私は伸びをすると手に魔力を集めた。
「えっ?」
先生が驚いたみたいだったが、もうここまで来たらやるしか無い。私は久々にすべての力を開放した。
「行っけーーーー」
私の手に集められた魔力が放出された。
凄まじい閃光が私の手から放たれた。その光は一瞬で的を消滅、訓練場の障壁を一瞬で破壊して、学園の壁に巨大な穴を開けていたのだった。
「あれ?」
私は障壁がとてもちゃちだったことにあっけにとられていた。これはやってしまったのでは・・・・。
真横で見ていた担任は腰を抜かしていたし、後ろで見ていた皆は全員呆けたようにそれを見ていたのだった・・・・
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