Case.1 探偵なのに盗むんだゆ ⑰
「現れたゆね!
やま田は巨大ヤドカリの肩に乗る老紳士に向けてそう言い放つ。
そう、あれは一見すると
誰が何と言おうともそうなのだ!
「はっはっはっは、やま田クン! 私の宝を
「
「ほほう、では取り返した後はちゃんと元の持ち主に返却するのだろうね」
「……ゆ?」
「ゆ? じゃねえよ。そこは清く正しく即答してくれよ」
俺の
「とにかく、まずはそこのお宝頂くゆ!」
「よろしい! だが、君の相手はこの私ではない。今日は別件があるのでね。代わりに――、手下その①よ、出でよ!」
「はぁい、あるじさま!」
ソトスが黒いマントを
と、次の瞬間、その姿は消え去り、代わりに赤い髪をツーサイドアップにした女性がポーズを決めて出現していた。
黒いハイレグスーツに、黒いロングブーツ、頭には小さなシルクハット、そして例によって目元は赤いマスクで覆われている。
そのお姿を見るのは二度目だが、チラ見するだけでもハラスメント赤切符を切られそうで、俺の視線は若干
「皆さぁん、あなたの
「なんで俺限定なんだよ」
「そ・れ・は、オネーサンの推しだから?」
『ヤッド! カッリ!』
手下その①は、にっこりと
あんなモノでイケナイことをされた日には、新しい世界へ転生してしまうかもしれない。
あちらで無双するのはもうちょっと
手下その①はヤドカリの
「さあ、可愛がってあげなさぁい!」
『ヤード! カッリ!』
巨大ヤドカリはその声に応じ。
こちらへ向かって
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます