私の騎士

やさか

第1話 不安

 私の騎士は、いつも夜中の3時頃に血だらけで帰ってくる。時々大きな怪我をして帰ってくる騎士が常に心配で、不安でいっぱいになる。いつか帰って来なくなるんじゃないかって。それでも、私は待ち続けるの。


 必ず帰って来て、と騎士と約束しているから。


 そしてそれを彼はちゃんと守ってくれる。

 どれだけ疲れていようと、私のベッドで一緒に寝てくれる。程よく鍛えられた腕で私を優しく包んで抱きしめてくれることで、ああ、生きて帰ってきてくれたんだなって、やっと実感する。


「アーロ」

「……ん。ソフィア、どうかしましたか?」


 疲れているのに、小さく呟いた私の声にちゃんと反応してくれる。


「ううん、なんでもない」

「……そうですか」


 ほとんど消えるような声で返事をし、また眠りについた私の騎士。向かい合わせで寝ているから、彼の心臓音と寝息が良く聞こえる。トクン……トクン……とゆっくり鼓動する彼の心臓に耳を傾けながら、私は今日も目を閉じる。夢の中でも私の騎士に会うために。

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