(二)-12

 一人は女性だった。ソファで仰向けになっていた。長い髪がソファから床へと扇状に広がりながら落ちていた。片足は床につけていたが、もう片方の足はソファの背もたれの上に乗せられていた。

 その女性に覆い被さるようにしていたのは、男性だった。見覚えのある後ろ姿だった。夫である。上半身はTシャツ姿であったが、下半身は何も身につけておらず、ぽっちゃりとしたお尻が丸出しであった。そして小刻みなリズムとともに、下にいる女性の股間めがけてお尻が上下に動いていた。そのお尻の動きに合わせて女性の吐息が彼女の口から漏れた。それはときどき声帯を震わせ、部屋の壁に音を反射させていた。


(続く)

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