8月31日 くもりのち晴れ

今日で夏休みは終わりです。

ぼくは、学校に行かないといけません。

あの、つらくて苦しい、学校に。

お母さんは、いそがしくてなかなか会えません。

お父さんは、ぼくがもっと小さいころから、いませんでした。

姉ちゃんは、冬休みまで遊びに来ないと思います。

友達も、ホントはいません。

あの人たちは、ぼくのことをおぼえてくれないと思います。


でも、ぼくは負けません。


お姉ちゃんにふさわしい、かっこいい男になるんです!


日記も続けます!

ぼくが、ぼくのことをおぼえるんです!

お姉ちゃんのことだけじゃない。

今までのぼくも、これからのぼくも、みんなみんな、わすれないために。

ぼくたちが生きている、今ここの「いっしゅん」は、すぐに形をかえちゃう。死んじゃうんです。


大事なものを死なさないために、ぼくは書きつづけて、えがきつづけます。


それが、このせかいで一番きれいなものを、えがくために大切なことだと、ぼくはそう思います。

それに、たくさんのぼくがいるってことは、一人じゃないってことです。

お姉ちゃんだっています。

てんちゃんだって、もうこわくありません。


そしていつか、お姉ちゃんの全部を思い出して、あの時以上にきれいな絵にして。


それで、お姉ちゃんをむかえに行くんです。


お空になんか、上らせません。


ぼくは、りっぱな絵かきになります!


お姉ちゃんに、これから毎日言いたい言葉があります。

お姉ちゃんは、やさしくて、きれいで。そんな人のことを、あらわす言葉を見つけました。漢字がむずかしかったです。


きっと、また会えるって、お話できるって、また笑ってくれるってしんじて、



「優麗な君へ、また明日」

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