第2話 チャンス

彼が好きだった。


でも、叶わない恋だとわかっていた。

だって、隣にはいつもあなたがいたから。

そして、見せつけるように二人の指にはお揃いの指輪が光っていた。


お互い相手が赤い糸であると、こっぱずがしい話を堂々と言える二人。

誰もが二人を認めていた。お似合いの二人だと。


私だって、二人は好きだよ。

でも、彼の隣に私がいたっていいと思うの。

あなたと出会う前から私は彼といつも一緒にいたから。

友達としてって、彼は言うかもしれない。

だけど、あなたがこの先消えてくれたら…そしたら、私にもチャンスがあるかも…。


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