ディクショナリー

第1話 寝起き

勉と付き合ってから３年が経過した。最初はあんなに「好きだよ」と言っていた

のに、その言葉も少しずつ少なくなってきた気がする。

今日は二人で映画館デートの予定だったが、朝起きた時に

「予定が入った！今度にしよう」

とLINEが入っていた。

あんなに楽しみにしていたのにドタキャンされた、、、悲しくて病みそうになる寝起きとなった。

勉のことを考えても仕方ないと思っても、やはり考えてしまう。

予定って何だろう？違う女の子と遊んでいるのかな、、、？

想像は無限に広がっていき、どんどんしんどくなってきた。

ただ次のLINEで

「好きだよ！」

と脈略もなく、おあつらえむきに送信されていた言葉に期待してしまっている自分により情けなくなる。

気を取り直して

「わかった！じゃあ明日とかどう？」

とLINEを送信した。

「いける！ただ午後からでもいい？あと、5時から飲み会があるからそれまでなら！」

と返信があった。

一緒にいる時間は４時間くらいかと思いつつ、「大丈夫！」と返信した。

「じゃあ１時に映画館集合な！観る映画決めといて！」

現地集合か、、、いつも私と会う時間は最小限にしようとするよな、、、しかもみる映画とかも私一人で決めるのか、、、

勉に言いたいことはいくつもあったけど、少しでも会えることの嬉しさが勝り、言うのをやめた。

そのこともまた、情けなく感じた。