第17話 攻略無双
「マップ!」
ギルドで指示を受けて直ぐ、南側に来ていた。
「よっしゃ! ここに入るぞ!」
本当に片っ端から攻略することにしたのであった。
最初に潜った所はTheダンジョンという感じの壁と通路があるダンジョンであった。
「おっ! 魔物だ!」
出てきたのはムカデ型の魔物であった。
「うーわぁ。苦手部類……」
キチキチと牙を鳴らしながら迫ってくる。
腹を括って突進する。
「俺は、急いでるんだ! くたばれぇぇ!」
太刀を構えて飛び上がり。
頭に突き刺す。
ブシュッという音とともに動かなくなるムカデ。
「っしゃぁ! つぎぃ!」
次々出てくる魔物を倒す。
強くはないが、何せ気持ち悪い。
「さっさと終わらせるぞぉ!」
『凄い気迫だね!』
怒涛の如く攻略し、40階層に来ていた。
目の前にはガーディアンの扉がある。
「っしゃぁ! いくぞぉ!」
開けると蜘蛛がいた。
「うーーーーゎ……マジかよ」
半歩下がって様子を見る。
前回蜘蛛が出てきた時は蘇芳に任せた。
震える身体を抑え込む。
「今回そんな気がしてたんだぜぇぇぇぇ! ぶちのめしてやるぜオラァァァ!」
「キシャャャー!」
ダンッ
踏み込み蜘蛛に迫る。
「まぁりょくこいやぁぁ!」
身体から魔力が溢れ、武器に纏う。
「【絶断】!」
ズッッッ
蜘蛛は動かなくなる。
縦にズレる。
『何今の!? 技作ったの?』
「いや、なんかノリで?」
『カッコよかったよ?』
「そう? あ、ありがと」
奥に行き、ダンジョンコアをとる。
やはり少し大きかった。
外に出る。
まだ日が傾いたくらいだった。
「っしゃ! まだ行ける!」
『翔真!? 大丈夫?』
「テンション高ぇうちに行っちまおう!」
次のダンジョンに向かう。
扉が待ち構えていた。
「おっしゃ! いくぞぉ!」
林が広がっていた。
「おぉ。1番最初に入ったダンジョンに似てんな? 浅いかな?」
『うーん。どうだろう。通常こういうダンジョンは、深いものだよ』
「マジか……気合い入れていくぞ!」
狼型の魔物が現れた。
取り囲んでいる。
「あー。なんかどっかで見た風景だな」
以前にもこんな事があったような……
「めんどくせぇ! 蘇芳、合わせるぞ!」
『オッケー!』
「『円月輪』」
ズバァァァァァ
魔力の斬撃が円形に広がっていき獣を切り裂く。
「もしかして、ダンジョンって、パターンある?」
『うん。ある程度はあると思うよ』
「だったら、大体の次の層への道もわかりそうだな」
『あー! たしかに!』
「こっちだ!」
奥の森へ向かう。
同じ構造なら同じようなところにあるだろうが。
「やっぱりあった! これは、最短で攻略できるな!」
下へおりていく。
魔物をなぎ倒しながら走る走る。
サル型、ゴリラ型、ヒョウ型、クマ型、トリ型と動物園のように様々な種類が出現する。
だが、全て一刀のもとに切り伏せていた。
どれくらい時間が経っただろうか。
全速力で最短で降りてきているが今だガーディアンの扉は出ない。
「はぁ。はぁ。はぁ。今何層だっけ?」
『ふぅぅぅ。今は68層位だと思うけど』
「さすがにあと2層でガーディアンじゃ無かったら休むか」
『そうだね』
怒涛の如く攻略してきたが、ぶっ通しで駆け抜けてきたため、疲労が溜まっていた。
2層下がったところで目の前に飛び込んできたのは森であった。
「おいおい。70層でもガーディアンじゃないとなると大規模ダンジョンになってる可能性もあるな……」
『1回休もう』
「そうだな」
テントを出して休む。
「精をつけないとな! 肉の弁当出してくれ!」
『はい! 焼肉弁当!』
「おっしゃ!」
ガツガツ食べる。
弁当を食べ終わるとシャワーを浴びてベッドに寝転がると、すぐに寝てしまった。
◇◆◇
「おっしゃ! 今日こそ攻略するぞ!」
再び攻略を開始し、最短で降りる。
襲ってこない魔物は無視する。
80層でもガーディアンは出ず、90層に降りるところである。
「ここでガーディアン出なかったら大規模ダンジョンって事だよな?」
『そうだね。100層から大規模ダンジョン扱いだから』
話しながら降りて行く。
大きな扉が出現した。
「ここでガーディアンか……良かった。大規模ダンジョンにはなってなかったな」
『そうだね。大規模ダンジョンになると強さが段違いだからね』
「よしっ! 入るぞ!」
ゴゴゴゴゴゴォォォォッ
これまで出てきた魔物は全て獣系の魔物。
その中で1番強いと言えば。
「グルゥァァァァァァァ」
ガーディアンはライオン型の魔物であった。
なんと2頭の取り巻きがいる。
『翔真は本命狙っていいよ。僕が取り巻き始末するから』
「サンキュー!」
ドンッ
音を置き去りにし、魔物に迫る。
「はぁぁぁ!」
上段からの一撃を放つ。
ズドォォォォン
サイドステップで避けられる。
意外に動きが早い。
横から取り巻きが襲ってくるが。
ズドォン
吹き飛ばされて居なくなる。
『任してぇ』
「頼んだ!」
蘇芳が取り巻きを引き離してくれた。
「グルゥァァ」
取り巻きを見てしまっていた事によら、隙が出来てしまった。
その隙を狙って爪が振り下ろされる。
「くっ!」
横に転がり何とか避ける。
「グルゥゥゥ」
円を描くようにクルクルと回りながら様子を見ている魔物。
「俺は、逃げないぜ?」
太刀を大上段に構える。
「ふぅぅぅぅ」
身体の魔力を高める。
陽炎のように魔力が可視化される位の濃度で溢れる。
それを太刀にのせる。
魔物も脅威と感じたのだろう。
立ち止まってジッと身を低くして様子を見ている。
しばらく対峙する。
「グルゥァァァァ」
しびれを切らした魔物が飛び込んできた。
「フッッッ!」
ズバッッッ
太刀を振り下ろした状態で魔物の後ろに移動していた。
ライオン型のライオンが真っ二つになり倒れ伏す。
取り巻きの方を見ると既に倒して蘇芳がこちらの様子を見ていた。
「流石だな。蘇芳。早い」
『同じくらいじゃない? 翔真、どんどん強くなるね。見てて面白いよ』
「蘇芳のお陰なんじゃねぇのかな?」
『それだけじゃないと思うよ? センスもあるんじゃないかな』
「そりゃ、嬉しいな」
話しながら奥に行く。
ダンジョンコアを取ると今までで1番のおおきさであった。
「これ、バランスボール位ないか?」
『ほぼ大規模ダンジョンだったからねぇ。デカいと思うよ』
地上に転送される。
すると、他の解放者とたまたまかち合った。
「あっ。他の人たちも到着したんだな」
『そうみたいだね』
近くにいた解放者が声をかけてきた。
「な、なぁ。それ、今攻略してきたダンジョンコアか?」
「あぁ。そうだ。あと少し放置していたら大規模ダンジョン化してただろうな。90層まであったぞ。その前のダンジョンは40層。かなり深くなってる」
「そうか。俺たちは金の事ばかり……」
「この辺のダンジョンは結構深いみたいだ。死なねぇ様にな?」
「俺達だって解放者だ! 攻略してみせる!」
「あぁ。俺も出来る限り攻略する」
それから潜ったダンジョンは大規模ダンジョンに到達しているものはなく。
翔真と他の解放者達により南側のダンジョンは全て攻略されたのであった。
攻略されるまでに要した期間は1週間にも及んだ。
これは、ほぼ休まずに攻略した結果であった。
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