エピローグ

 その少年は産まれたその時より死者であった。

 

 だが、何の因果か。

 

 その少年は既に消え堕ちた過去の巫女の残骸に適応した。

 死んだはずの少年は歪に、人とは違う過去の理でもってその生命を稼働し始めた。一つの生命となった。

 間違えなくそれは一つの生命となった。

 

 少年は憧れた。

 大いなる力を持った存在に。

 彼は努力した。

 

 そして、その少年は地球と繋がった。

 

 地球の持つ力を全て保有する奇跡のような存在となった。

 

 地球が悪全てが少年の中に収まった。

 

 地球が善全てが少年の中に収まった。


 悪を全て手にした少年は、全ての生命の敵となった。

 

 善を全て手にした少年は、その輝かしい光で縁を焼ききった。

 

 最強なった少年は、己以外の何もかもを失ったのだ。

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