シャルロットちゃん

第1話

ロンドンで生まれた。テムズ川沿いの、ちょっとおしゃれな感じのあるアパートで、外階段をトントンと登ってすぐのところに玄関あって、入って窓際にある低いタンスの上に、ベビーベッドが置かれてあり、そこで自分は寝てる。目覚めたら、ソファの上に、ちょこんと座らされてたみたい。

ベビーカーに乗って、両親と散歩してると、すれ違う白人のきれいなお姉さんと、目が合って、思わず笑ってしまう。

ロンドン動物園にも行った。ゾウさんの可愛いぬいぐるみを手にしっかり持ってる。

そのあと、パリに行った。家の近くには、ちっちゃな運河もあって、公園もあって、遊びに行ってた。

白や黄色やピンクなどの花もいっぱい咲いてた。

セーヌ川の遊覧船に乗って、景色を見るのも好きだ。

レストランに行ってフランス料理も食べた。

美術館にも行ってた。

そのあと、広島に行って幼稚園に入り、郡山で小学校に入学し、4年生の時、松山の小学校に転校した。

5年生のはじめに、転校生が来た。先生に、新しい机とイスを、教室に運ぶように言われて、使ってない机をしまってある倉庫に行って、自分の教室まで持って行った。自分の横にスペースが開いてて、そこに机とイスを置いて、転校生の席にした。

｢メルシーありがとう｣って転校生が言ったから、あれ？ちっちゃい頃に聞いてたような言葉だなあって思ってたら、｢あれーっ！あやめちゃんでしょ！｣って自分のこと知ってたから、｢なんで知ってるの？｣って転校生に聞いてみた。

｢パリで、いっしょに遊んでたでしょ。結婚の約束もしたし。｣

あーっ！思い出した！シャルロットちゃんだ。

みんなも、びっくりしてた。