19



side.Subaru





「いるよ…。キミがオレを好きだと言ってくれるなら、ずっと…」


貴方のその言葉に、

どれほどの力があるのかは分からないけれど…


今は─────…





「…俺は例え死んでも、貴方をずっと愛しますよ…」


「そかっ…じゃあ―――」



“ずっと一緒にいられるね”




…────今はそれで充分だと思った。








「あっ、はぁっ…も…っと…もっとッ…!」


「ハァッ…明日、動けなく…なりますよッ…」


再開したセックスは、

これ以上ないくらいの激しさだというのに。


まだ足りないと言い張る円サン。





俺が何を言っても「いいから、キて?」と挑発的な台詞を寄越すものだから…


俺も構わず、自分が欲しいままにガツガツと愛しい者に埋めたモノを下から奥へと突き立てた。






前立腺を抉る度、

円サンは悲鳴紛いの喘ぎ声を奏でて。


負けじと俺の上で動いてくるから、

こっちも堪らず荒々しい息を吐き捨てる。





「ぁん…アッ……すばるくっ…はぁッ…!!」


「…円、サン…ッ……!」


ソファがガタガタと床まで軋ませて。

それすら互いの欲を駆り立て貪り合い、限界以上を求め合う。



円サンが視線でキスをせがむから。

乱れた吐息ごと飲み干すように…


ただ出鱈目に舌を捻込んで、卑しくもかぶりついた。







「んふッ…やっ、だぁ……」


「円サン……?」


急にガクガクと痙攣し出す円サンの身体。

腸内も伴ってギュッと窄められていく。






「ンあッ…もっ、イッちゃうよ…!」


もっともっと、

叶うならずっとこうして繋がっていたい。


離さないとばかりに俺にしがみつき、中までも締め付けてくる円サンの姿に…俺までもが追い詰められてしまう。







「はぁッ…俺も……一緒にイきましょう?円サン…」



顔を覗き込み目配せすると、

円サンは潤んだ瞳を小さく揺らし頷く。


その弾みでポロポロと涙が零れていった。





どうしてこんなに心地良いんだろう?


こんなに満たされて、切なくて、愛おしくて…




誰かを好きになる事は、

決して楽しい事ばかりじゃない。


『好き』が大きければ大きいほど、

苦しいや辛い事の方が多いのかもしれない。



けど────…





(それでも構わないんだ…)


貴方だからこそ、はっきりそう思える。

痛みを強いられてでも縋り付いていたいんだ、と…。






「円…サン……」


「ん…ぁ……なぁ、に……?」


ひとつに繋がったまま、

貴方の瞳に俺だけを映して─────捧ぐ。






「愛してます…。」


「ッ……ぁ…も…はァッ…!!」


不器用過ぎる俺を許して下さい。

だだ貴方が好きで堪らないんです。


たったそれだけの事が、

こんなにも俺を狂わせてしまう…



全ては篠宮 円という、たったひとりの為に────…








「オレもッ、好き…大好きだ、よっ…あアッ…!!」


「はぁ…円サン…まど、か……円…!」


ひとつになりたい。

このまま貴方とドロドロに溶けて、境界線なんて無くなってしまえばいいのに…



本当にそうなってしまうんじゃないかって錯覚するぐらい、激しく…


そうやって狂おしく咲き乱れる貴方の中へと、

突き進んで行けば─────






「あ…すばる、く…─────ィッ…ああアアッ…!!」


互いの肉体が悲鳴を上げても。

一心不乱、欲に付き従い想いの丈をぶつけ合った刹那。


パチンとふたつの猛りが弾け飛び、

時をほぼ同じくして。




俺は貴方の体内に。

円サンは重ねた肌の僅かな隙間に…



白く濁る愛欲の塊を、惜しげもなくぶちまけていた。

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