第410.3話 タクマとシイナのあとがきっぽい解説コーナー/5
――宙色市内『異階』の一室。
タクマ:俺はよぉ、思うワケよ。(お雑煮食べつつ)
シイナ:何ですかいきなり。(お雑煮のおもち伸ばしつつ)
タクマ:『食べてホッとする料理』作らせたら、シイナがナンバーワンだってさ。
シイナ:本当に何ですか、いきなり!?
タクマ:この雑煮がよー。ホントに食べると何かホッとできてさー。
シイナ:む、むむむ……。(おもちみょ~ん)
タクマ:母ちゃんの料理も美味ェけどさー。何かシイナの料理は落ち着くんよな。
シイナ:むむむむむ……。(おもちみょ~~~~ん)
タクマ:ところでそのもち、伸びすぎじゃね……?
シイナ:むぐむぐむぐむぐ。
タクマ:伸びた分を追っかけるようにして食っている……。
シイナ:ごっくん。ごちそうさまでした。
タクマ:へい、ごちそうさまでした。っと。
シイナ:それじゃあ、お昼ご飯も食べたところで、始めますかー。
タクマ:第十五章のあとがき的な何かだぜ~。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
シイナ:では、今回の章の振り返りからいきますかー。
タクマ:金鐘崎本家、死屍累々。
シイナ:以上ですね! 本当に死屍累々でしたね! 無傷だった人、結局ゼロ!
タクマ:欣司は魂喰われるわ、父ちゃんに言葉でボッコボコにされるわ。
シイナ:美喜子さんも大体同じですねー。
タクマ:他はまぁ、うん。仕返し対象じゃなかったの八雲くらいだったな。
シイナ:父様とは直接は関わりませんでしたしね、彼。
タクマ:王原組……。
シイナ:ヤジロ君に遭遇したのが運の尽きですね。
タクマ:かぶり物がトモエだったの、いい感じのサプライズになったっぽいな。
シイナ:今章最大の仕掛けでしたからねー。作者サンもホクホクでした。
タクマ:ただし思いついたのは今章始まってからという……。
シイナ:本作は相変わらずLIVE感を大事にしております。(言い訳)
タクマ:行き当たりばったりばっかりですまん。
シイナ:今章は、作者サン的には予定していたよりもテーマ性強くなった、とか。
タクマ:へ~。「家族」とかそんな辺りか?
シイナ:しいてあげるなら「親の在り方」とかそっちですかねー。
タクマ:ああ……。
シイナ:ロクな親が出てきませんでしたからね、今章!
タクマ:まぁ、うん。そーな……。
シイナ:読者サンからいただいた感想の中にですね、
子供の出来が悪いとこまで親に言われてもなぁ、というものもあります。
タクマ:毎度、本当に感想いただいてありがたいぜ。感謝してまーす!
シイナ:ありがとうございます! 読者サンの応援あってこその、本作です!
タクマ:だよなー。
で、そのいただいた感想がどうかしたんか?
シイナ:今章については、金鐘崎本家の子供達がクズなのは明確に親のせいです。
タクマ:それは断言しちまうワケね……。
シイナ:だって、事実、そうですからねー。
子供にとって親の影響力っていうのは絶大です。絶対に近い絶大です。
タクマ:異能態みてーだな。まぁ、実際その通りなんだろうけどさ。
シイナ:美沙子さん達本家の子供三人は、親ガチャに失敗してしまったワケです。
タクマ:親ガチャなー。確かに子供は親を選べんけどもよー……。
シイナ:欣司さんはクズではありませんが、根本的に親に向いてない性格でした。
家族との接し方がわからず、仕事を口実に家から逃げ続けていました。
タクマ:美喜子は、元々控えめだった性格が欣司の影響で悪化したんだよな。
結果として、自分からは動き出せないことなかれ人間になっちまった。
シイナ:そこは欣司さんが『古い人間』であったのがいけなかったですね。
男であり父である自分が主人という認識をずっと当たり前でしたから。
タクマ:まさに昭和の価値観だよなー……。
シイナ:今の時代にそぐわないのは、その通りですね。
何が正しいという話ではなく、本家の子供達を歪めた原因のお話です。
タクマ:結果、父ちゃんと美沙子さんにブチ壊されたワケだ。根こそぎ。
シイナ:本家自体は被害者なんですけどねー。……マレーネさんの。
タクマ:出たな今章の毒親その2。自分は息子のことを愛しています系の毒親。
シイナ:その実、理解してるどころかそもそも忘れてますからね、この人。
タクマ:美沙子さんの親代わりでもあったんだよな?
シイナ:それはそうですけど、この人は『出戻り』後に『真念』到達したので。
タクマ:ああ、『執着』だっけ。
シイナ:そうです。
マレーネさんはテンラさんに拒まれたのをきっかけに到達しました。
そこから『イマジナリー・テンラさん一筋』になったんですよね。
タクマ:こ~わっ! 母親が事実上のストーカー化とかマジ怖ェ!
シイナ:ちなみにマレーネさんの『出戻り』原因は山の中での事故です。
山菜取りに行ったところで転落して、みたいな。
タクマ:非業の死じゃなくて理不尽な死の方だな。
シイナ:異能態の能力は『見たものの魂を奪い尽くして殺す』というものです。
タクマ:生物だけじゃなくて無生物も殺せる、殺傷力お化けな能力だぜー。
シイナ:一方で、それを撃退した美沙子さんの異能態ですが――、
タクマ:アンチ異能態。
シイナ:ですです。自分以外の異能態の能力を『亡却』させる能力です。
ただし永久に消し去るワケではない点に注意が必要ですが。
タクマ:どゆこと?
シイナ:マレーネさんは美沙子さんの弾丸を受けて能力が『忘却』されました。
でも、現実に戻ってまた『異階』で異能態を使ったら普通に使えます。
タクマ:ああ、そうなんか!
シイナ:あくまでも『そのとき発動した異能態をなかったことにする』能力です。
例外は、父様の『亡却業火』くらいでしょうか。
タクマ:先に亡却したものは、美沙子さんの能力でも戻せない、ってことか。
シイナ:そうですね。亡却を亡却させることはできません。
タクマ:ちなみに異能態以外の能力は亡却できるのか? 美沙子さんの能力。
シイナ:普通に亡却できます。
作中では異能態より力を持つ能力がないため、アンチ異能態としました。
この能力で亡却できるのは、以下の三つです。
1.対象が発動させた能力そのもの。
2.対象の能力によって発生した結果。
3.対象の能力によって発生した結果から生じた二次的な影響。
タクマ:このうち『1』については『発動した能力』に限るワケだよな?
シイナ:そうですね。例えば父様がマガツラさんを発現させたとしてですね、
美沙子さんが『亡却の弾丸』を撃ったら、マガツラさんが消えます。
タクマ:おう。そうなるよな。
シイナ:そして、父様は現実に戻るまでマガツラさんが使えなくなります。
タクマ:『異階』にいる間は父ちゃんの能力が封印されちまうってワケか……。
シイナ:いうなれば『能力を亡却させる能力』ですからね。
タクマ:ガルさんには効かないけど、ガルさんが使った魔法には効く、と。
シイナ:例えば、そういう感じですね。
異能態同士の戦闘では準最強くらいの強さはあるんですよねー、これ。
タクマ:ただし『相手に弾丸を当てないといけない』っていう制約もあるよな。
シイナ:そうですね。母様の異能態や父様の『喰威』は距離関係なしですけどね。
タクマ:小回りが利くようになったキリオの異能態、って印象があるわ。
シイナ:キリオ君の異能態は『問答無用に全員適用』ですからねー……。
タクマ:あとは、今章だと……、小夜子か?
シイナ:毒親中の毒親。因果応報、救いなし。以上です。
タクマ:じゃ、今回はこんなところでー。……で、次章は?
シイナ:次は幕間なしですぐに第十六章となります。遠いところまで来ましたね。
タクマ:毎度、応援あっての本作だぜ……。
シイナ:次回は母様とリリスおばあ様メインの章となります。
タクマ:今章で本家が大変だった頃、母ちゃんの方は――、みたいな感じな。
シイナ:それでは、また次回~! さよ~なら~!
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