第24話 【現実世界】本物を見抜く目

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平輔「格好いい……」

矢田「は?」

平輔「格好いい!」

矢田「ほ、本当に?」

平輔「新しすぎますよ。傑作だ。純愛ラブストーリーが、ヒーロー物になるなんて。負けましたよ。うちの雑誌、いや漫画界を揺るがす大傑作ですよ」

やよ「お、大袈裟だって。そこまで言われると、逆に怖い」

平輔「そんなことありませんよ。私はこれまで、こんな破天荒な展開の話を見たことがありません。私のギャグ四コマ漫画でもこんな風に起承転結が激しくありません。あれ、これギャグ漫画ですか?」

矢田「違います」

楓 「さすが編集長。本物を見抜く目があるなぁ。誰かさんとは違う」

矢田「その言い方、気になるんですけど」

楓 「別に矢田さんに見る目がないなんて言ってませんよ」

矢田「言ってるじゃありませんか!?」

やよ「もめないでってば。まだ完成してないんだから」

楓 「さすがカレー大好き、やよいイエロー」

やよ「言ったでしょ。これは私じゃないって」

矢田「正直、こうなったら何も聞いてくれないと思いますが、諦めずに突っ込みませていただきますが、いいですか?」

やよ「もちろん」

平輔「こらっ! お前が口出すなんて百年早いぞ!」

矢田「はぁ?」

やよ「いいのよ。ここまでだっていろいろ意見出してもらったんだから。遠慮しないで」

平輔「そうですか? まぁ先生がそう言うなら」

矢田「……なんでピンクが半ズボンのヒゲぼーぼーのおっさんなんですか!? ふつう、   如月がピンクでしょ!?」

やよ「ねーたま子レッドの人事、やばいね」

矢田「そんな人ごとみたいに……。で、この顔も名前も丸出しの五人がどうするんですか? 詐欺師とはいえ、相手はただの男一人、腹ぺこちびっ子一人ですよ。地球乗   っ取り計画を立てている悪の軍団じゃないんです」

楓 「それが何か?」

矢田「もう……バランスですよ、バランス。このまま五人のヒーローが瞬と星美のところに行って、袋叩きにしても読者は喜ばないと思いますよ」

やよ「それはそうね。ただの弱いモノいじめになっちゃうわかもしれないわね」

平輔「だったら、設定を足しちゃいましょう。実は二人には千人の部下がいる、とか」

楓 「千人の部下のいる人が詐欺なんてやりますか?」

平輔「うっ」

やよ「よしっ任せといて」


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