バネッサちゃん
ヤッキムン
第1話
ロンドンで生まれた。テムズ川沿いの、おしゃれなアパートの、外階段をトントンと軽く登ったら、すぐ玄関があって、入って窓際の低いタンスの上に、ベビーベッドが置かれてあって、自分はそこで寝てたように思う。目覚めたら、ソファの上に、ちょこんと座らされていたように思う。
テムズ川のほとりをベビーカーに乗って、両親と一緒に散歩していたのを、なんとなくだけど覚えている、ような気する。すれ違った白人のきれいなお姉さんと、顔を見合せて笑った気もしている。ちっちゃいながらにも、美術館にも連れていってもらってた。ロンドン動物園にも行って、ゾウさんのぬいぐるみをしっかり手に持ってた。ミュージカルにも観に行ってたみたいだ。赤い2階建てバスの走ってるのを覚えている。
そのあとパリに行った。家の近くに、ちっちゃな可愛いらしい運河みたいなのもあって、公園もあったから、よく遊びに行ってた。フランスパンも好きで、よく食べていた。たまにレストランでフランス料理の子供版みたいなのも食べてた。
自分と同じくらいの、ちっちゃな可愛い女の子と、よく家の近くの公園で、いっしょに遊んでた。その女の子は、パパはフランス人だったけど、ママは日本人で、だから、パリにいても、自分といっしょに日本語でも、しゃべってたように思う。ハーフの女の子だけど日本人みたい。ちなみに、自分の父親は、アメリカ人と日本人のハーフで、母親は日本人だから、自分自身はクォーターっていうものになるらしい。父親に肩車されて、セーヌ川沿いの、緑や草花の多い道をよく散歩していた。草花の良き香りが街に漂っていた。黄色や白やピンクなどの可愛らしい花も、いっぱい咲いてた。ついでに、美術館にも行ってた。ガラス張りのピラミッドもあった。ちょっと小高い丘みたいなところから、よくエッフェル塔を眺めていた。ちっちゃい飛行機みたいなオモチャに、ひもがついてて、ひもの先を手に持って飛行機を空に飛ばすと、飛行機がクルクルと、自分の頭上を旋回して飛んでるようなオモチャで、よく遊んでた。
大きな立派な教会の中に入ると、ステンドグラスがきれいだった。小さな観光船に乗って、セーヌ川を遊覧するのも好きだった。
パリの中心にも可愛い公園があったから、両親と散歩するのも好きで、橋も建物も街の景色きれい。お母さんは服をつくるのが好きで、自分の服も、よくつくってくれてたみたいで、それを着て、おでかけしてた。帽子も好きだったから、可愛い帽子をかぶって、おでかけしてた。
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