航海第三十一日目 さらば、宮太郎
(平成11年10月10日〔日〕体育の日)
タワーは崩れた。
その被害総額は一億円以上にもなった。当然、組体操は中止。見事に教師どもの鼻を明かしてやった。ざまあ見ろだ。大笑いだ。
それはそうと、私は歩き続けていた。空はもうすっかり暗くなってしまっている。果てがないとも思える道をひたすら行く。
と、こんなことを書いていては後が続かない。
そういうわけで、私は港町に辿り着いた。
ここには一人の少年がいる。彼の名は宮太郎。年齢は16歳なので、高校一年生といったところか。彼の目的はとりあえず東京に行くこと。私の目的とも少しだけ一致するところがある。
私は彼と船旅をともにすることにした。けれど、誘ってみたところ、即刻断られた。
「なんだよ、けっ」
そう思いながらも私は船に乗り込み、外海を目指して航海が始まった。
宮は海を眺める。彼は遥か彼方の東京を見つめる。が、まだ東京を目指すべき時ではない。時勢はしっかりと見据えなければいけない。
彼の運命やいかに。
(宮太郎編終了)
(三十二日目につづく)
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