航海第二十九日目 天罰

(平成11年10月8日〔金〕曇りたまに雨)

 私の前にわざとらしく倒れていた老人は、実は“神”だったようだ。この神しゃまがいうには、私はダメダメなので天罰を与えなければならないという。

 なんかムカついたので、神を殴ったり蹴ったりして痛めつけてやった。さらに、色々と金目のものを持っていたので、それらをすべて奪い取ってダッシュで逃げる。


 すると、急に道の上で巨大な岩がせり上がってくる。私は思いっきり鼻の頭をぶつけてしまった。

 しかし、もたもたしている場合ではない。とっとと先へ行かなければ……。

 私は右拳を振りかぶり、左掌打で岩を粉砕した。別に右拳には何の意味もない。


 さらに走り続けていると、にわかに空が曇り始め、雷が鳴り始めた。そして、一瞬、光が襲い掛かってきたと思ったら、雷に打たれてしまった。私は黒焦げになる。

 どうやら、神の天罰とやらのせいらしい。

 そのことに気づいた私は神のもとまで戻り、あのクソじじいに金目のものを投げつけた。とんだ時間の無駄遣いになったな。


(三十日目につづく)

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